次に山田氏は、同社の顧客でマーケティングオートメーションを実践している企業の事例をいくつか紹介した。
中古書籍販売大手のブックオフは、会員データ、商品データ、ウェブ行動履歴、購買履歴、中古買取データなど膨大な量のデータを保持する。しかし、これらをすぐに活用できないといったデータ管理上の課題や、データ分析が各担当部門に委ねられており統合的な分析が一切できていないという組織上の課題を抱えていたのだという。そこでブックオフは、プライベートDMPを導入してあらゆるデータをひとつの場所で統合管理し、すべての部門が同じデータを参照して分析を行うように改革を行った。
その結果、会員属性、購買履歴、行動履歴などを統合分析したことで、顧客が年代別にどのような購買行動を行っているか。休眠会員になる割合と年齢、購買単価、購入した商品カテゴリの相関性はどうなっているか。リピート購入の多い優良顧客はどのような傾向で生まれるのか──といった多角的な顧客の可視化や、これまで実践してきたマーケティング顧客が本当に有効だったのかを検証することが可能になったという。
また、「休眠顧客をどのようにリテンションすればいいか」というマーケティング課題に対して、「どのような属性の顧客に」「どのような方法でアプローチすればいいか」という道筋を探し出すことができたという。
「企業と顧客とのコミュニケーションでは、いつ、だれに、どこで、何をするかを考えることが重要だ。プライベートDMPの活用によってコミュニケーションの最適化が実現し始めているブックオフの事例では、それが顕著に表れたのではないか」(山田氏)。
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