米内国歳入庁(IRS)の脱税調査に関連して、ビットコイン取引所のCoinbaseに対し、利用者の取引記録の提出を求める命令が出された。
IRSは、2012年~2015年に取引を行った米国内の全ユーザーの身元を特定するようCoinbaseに命じる「匿名」召喚状の発行を請求しており、サンフランシスコの連邦判事は米国時間11月30日、これを認めた。「匿名」召喚状により、IRSはたとえ納税者の身元を特定していなくても、納税者についての情報を入手することができる。
ここ数年、ビットコインはさまざまな浮き沈みに悩まされてきたが、今回の判決はその最新の事例だ。
米司法省(DOJ)が11月中旬に提出した書類によると、IRSは暗号通貨が脱税目的で使われた事例を3件特定したという。そのうちの2件では、年収数百万ドルのCoinbase顧客が関与している、と同提出書類には書かれている。
Jacqueline Scott Corley判事は判決で、「そのような人々が内国歳入法に違反した、または違反した可能性があると信じるに足る合理的な根拠がある」と判断した、と述べた。
Coinbaseはその要請に反対し、「政府の要請の適用範囲が恣意的であることを非常に懸念している」と述べていた。Coinbaseは11月30日、今回の判決は予想通りであり、実際の召喚状に裁判所で異議を唱える予定だと話した。
Coinbaseは声明の中で、「Coinbaseに召喚状が送られた今、われわれは裁判所でDOJの要請に異議を唱えることを楽しみにしている。前にも述べたように、政府の広範な要請を受けたときの当社の米国利用者の正当な権利について、われわれは今も懸念を抱いている」と述べた。
30日の声明で、DOJは「匿名」召喚状の使用について、脱税者の身元特定に必要なツールだと主張した。
「11月30日に認められた匿名召喚状のようなツールは、米国の納税者に明確なメッセージを伝える。つまり、ビットコインであれ、従来の通貨であれ、どのような形態の通貨を使用していようと、米国の納税者が収入を全額報告し、正当な額の税金を納めていることを確認するため、われわれはあらゆる手を尽くす」(DOJ)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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