Appleは、HIV/AIDSの撲滅を目指してロックバンドU2のボーカルBonoが設立した組織(RED)との提携を拡大する。
Appleの最高経営責任者(CEO)Tim Cook氏はUSA Todayの取材に対し、「人が価値観を持つものである以上、企業が価値観を持たなければいけないのは当然のことだ」と述べた上で、「そして、企業はたくさんの人々の集まりにすぎない」と語った。
Appleは「世界エイズデー」の前日にあたる米国時間11月30日、これまでの4倍となる400店舗以上のApple Storeに、(RED)のウィンドウステッカーを貼る計画を明らかにした。また、売り上げの一定割合が(RED)に寄付される製品の種類も拡大し、AIDS/HIV治療薬の提供に役立てる。
今回新たに(RED)支援の対象に加わった製品には、「iPhone 7 Smart Battery Case」や「Beats Solo3 Wirelessオンイヤーヘッドフォン」のほか、「App Store」で扱っている「アングリーバード 2」や「クラッシュ・オブ・クラン」といったゲーム、さらには「iTunes Store」で販売しているThe Killersのニューアルバム「Don't Waste Your Wishes」などの楽曲が含まれている。米国ではiTunes Moviesで、Spike Jonze氏が2010年にAIDSを題材として制作したドキュメンタリー映画「The Lazarus Effect」も無料でダウンロード提供される。
さらにAppleは、Apple Storeで「Apple Pay」を使って購入された製品1つにつき1ドルを、合計100万ドルに達するまで(RED)に寄付するという。さらにBank of Americaも、Apple Payで同行のカードが使われるたびに同様の寄付をする。
「われわれは人権という分野で多くのことに力を入れている」と、Cook氏はUSA Todayに対して述べている。「同様に、人々が何を支持すべきかを考え、自分が属するコミュニティーに貢献することが重要だと思う。われわれは常々、この世を去る時には自分たちが生まれてきた時よりも良い場所にしたいと語っている。そこで、どうすればそれを実現できるか、その方法を入念に検討してきた」
Appleとその経営陣は、かなり以前からU2と緊密な関係を持っている。BonoはAppleの前CEO、Steve Jobs氏と親しい関係にあった。2004年には、U2のメンバーのサインが背面に刻印された「iPod」の特別版が発売されている。また、(RED)も2006年に「iPod nano」の特別版を発売した。
ただし、2014年には両者の提携がちょっとした騒動を引き起こした。これは、AppleがU2の当時の最新アルバムを世界中のユーザーの「iTunes」に無断でダウンロードしたことがきっかけだった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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