100万件を超えるGoogleアカウントが、悪質なソフトウェアによる攻撃を受けているという。セキュリティ企業Check Pointが米国時間11月30日に明らかにした。
Check Pointはブログ記事で、この「Gooligan」という攻撃の影響を受ける端末は1日に1万3000台のペースで増加していると述べた。この攻撃で使われるマルウェアは、端末に感染し、その認証トークンを盗んで「Google Play」「Gmail」「Googleフォト」「Googleドキュメント」「G Suite」「Googleドライブ」などのプログラムからデータを盗むという。
Forbesによると、このマルウェア攻撃は、Googleアカウントを対象としたものでは過去最大規模だという。しかし、その攻撃の理由は、一般的に想定されるものとは違うかもしれない。その目的は、Googleユーザーの個人情報を盗むことではない。1カ月あたり最大32万ドルを搾取する詐欺計画の宣伝活動の一環であるアプリを、ユーザーにダウンロードさせることが目的だと、Check Pointでモバイルおよびクラウドセキュリティを統括するMichael Shaulov氏はForbesに語っている。
Googleにコメントを求めたところ、回答としてこの攻撃に関する同社ブログ記事へのリンクが送られてきた。Googleはこの記事の中で、Gooliganがユーザーのデータにアクセスした形跡や、特定のユーザーグループが標的になったという証拠は見つかっていないと述べている。「動機(中略)はアプリを広めることであって、情報を盗むことではない」としている。
Gooliganは、Ghost Pushというマルウェアの種類に属している。トロイの木馬型の攻撃が特徴だ。この攻撃では、悪質なソフトウェアが「Android」を搭載するスマートフォンやタブレット向けの合法的なアプリのように見せかけられる。The Wall Street Journalによると、悪質なアプリには、「StopWatch」「Perfect Cleaner」「WiFi Enhancer」といった名前のものがあるという。これらのアプリが一旦インストールされると、他のアプリが自動的にインストールされ、その中には偽のレビューを投稿するためのユーザー名とパスワードを盗むことができるものもある。
これらのダウンロードやレビューは、ハッカーによる広告詐欺の仕組みに絡んでいるらしい。ハッカーらは、強制的にダウンロードさせたアプリの中で広告を実行しているため、クリックやダウンロードが行われる度にハッカーらは金銭を得ることになるとForbesは報じている。
Check Pointによると、Gooliganは、2015年に研究者らが「SnapPea」アプリの中で検出したAndroidマルウェア活動の派生形であるという。
Googleは「Google Play」ストアで提供するアプリの審査を強化しているが、Gooliganアプリは、Google Playストアではなくサードパーティーのアプリストアやウェブサイトで提供されている。Check Pointによると、Gooliganによって許可なくダウンロードされるアプリの一部は、Playストアでも提供されているという。
GoogleはこれらのアプリをPlayストアから削除したと述べた。
自分のGoogleアカウントが被害に遭っていないかどうか心配なユーザーは、Check Pointのウェブサイトで確認することができる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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