Snooper's Charterはかなり前から検討されていた。
May首相は内務大臣(テロ対策を含む英国のあらゆる国内問題を担当)を務めていた2012年、Draft Communications Data Bill(通信データ法草案)を提案した(この草案もSnooper's Charterというニックネームで呼ばれた)。この草案の内容は、インターネットサービスプロバイダー(ISP)と携帯通信事業者に、電子メールのやり取りや閲覧履歴を含む顧客の活動を記録した詳細なデータベースを12カ月間保持させるというものだった。
同草案はインターネット上の権利やプライバシーを擁護する団体などから幅広く批判を浴び、自由民主党は最終的にその法案の通過を阻止した。
保守党が2015年に選挙に勝利したとき、David Cameron首相の下で依然内務大臣を務めていたMay現首相は同法案を復活させた。ただし、名称を調査権限法案に変更し、いくつかの新しいアイデアも盛り込んだ。この法案が現在のSnooper's Charterにつながった。
国王の裁可(英国で法案が法律になる前の最後の形式的な手続き)を得た今、Snooper's Charterが法律になることは確定した。それが英国民と他国の人々にとって何を意味するのか説明しよう。
英国居住者の日常生活の面では、インターネットアクセス記録の保持に関する政府の規則が大きく影響する。それは以下のことを意味する。
反対派は、警察が国民についての情報を含むデータベースへのアクセス権を乱用した過去の事例を指摘する。英国が特定の集団を標的にすることを不安視する者もいる。そうした人々は、ロンドン警視庁の警視総監までもが組織的な人種差別には「一定の正当性」があると認めたことを根拠に挙げている。
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