英国の「Investigatory Powers Act」(調査権限法)が、現地時間11月29日に成立した。同法案は10月に貴族院を通過していた。しばしば「のぞき見の免許証」と称されるこの法律は、1年がかりで準備されてきたもので、英国の警察と諜報機関に国民を監視する前例のない新たな権限を付与する。
米国の「愛国者法」を含め、西側民主主義国の調査権限法案によく見られるように、この法律もテロ対策を名目として立案された。しかし、インターネットに関する権利擁護を訴える諸団体は、英国のネットユーザーにとってプライバシーの死を意味するとして、法案に反対している。
Amber Rudd内相は、声明で次のように述べた。「インターネットはテロリストたちに新たな機会を与えており、われわれはこの難題に立ち向かう能力を確保しなければならない」
この法案は、英国が以前から秘密裏には多少なりとも行ってきた、世界的な調査活動を合法化するもので、これにより大量のデータの収集やハッキングも可能になる。また、インターネット関連企業や電話会社には、メール、アプリ、インターネットの利用によって生じた通信データを12カ月間保管し、警察や保安当局の求めに応じて、そうした情報を提供することを義務付けている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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