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ジョニー・アイブ(アップル)という何とも気になる存在

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 Appleのデザイン責任者であるJony Iveが「Designed by Apple in California」という立派な造作の観賞用書籍(コーヒーテーブル・ブック)を先ごろリリースして注目を集めていた。今回はそのIveについて、以前から少し気になっていたことなどをいくつか記してみる。


魔法の力は薄れたのか

 まず上記の書籍に関する話をひとつ。「最近のApple製品のデザインは以前ほど胸に響いてこない」との感想が記された記事がThe Vergeに載っていた。この記事の筆者は自分がそう感じた理由について、他社製品との差が縮まっているせいではないかなどと分析している。

 ベージュの筐体のパソコンしかなかった時代にはすぐれた工業デザインだけで随分と差別化できたが、今ではそうしたものはあって当たり前だと記す筆者は、そう思える根拠として、Microsoftが10月に発表した「Surface Studio」、Googleのスマートフォン「Google Pixel」、それに「Galaxy Note7」などを挙げている(Note7については「バッテリ問題さえなければ」としている)。同時に、現在ではネット接続するさまざまな端末をシームレスに使えることのほうがハードウェアの加工の精密さなどより重要になっているとか、あるいはソフトウェアの完成度こそが新しいデザインのフロンティアになっているとの考えを述べ、同書で主に扱われているハードウェアデザインの相対的な重要性の低下を示唆している。

 それぞれの指摘の当否については読む人によって意見の分かれるところと思うが、たとえばランプの形をした「iMac」(第2世代)や結局うまくいかなかった「PowerMac G5 Cube」などの斬新さを覚えている私自身は、確かに以前の製品には不思議な魅力があったと感じている。不思議な力というのは、たとえば「なんでカラフルなパソコンが必要なんだ?」といった合理的な視点から発せられた疑問を跳ね返す力、とでもいえばいいかもしれない。いずれにせよ、そういう魔法のような力をもつ製品を生み出してきたのが、Steve JobsとJony Iveのコンビであったことはいうまでもない。

不発続きのApple

 Jobsの「精神的なパートナー」とされ、その死後には同社でも最も大きな影響力をもつ人物とされるIveが最近何をしているのか……そのことが気になる人間が少なくないらしい。

 「Above Avalon」というAppleの動きを追い続けているブログ(兼有料ニュースレター)の運営者が、サービス開始から満2年の節目で公開した記事のなかで「全部で38本書いた記事の中で、『Jony Iveが人々を落ち着かない気持ちにさせる("Jony Ive Is Making People Uneasy.")』という題名の記事に対する反応(読者のフィードバック)がいちばん多かった」と記していた。2014年の「iPhone 6」リリース以来これといった大ヒット製品が出ていないAppleにあっては、そうした読者の反応もさほど意外なことではないかもしれない。

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