Facebookの広報担当者は、Zuckerberg氏の投稿以上のコメントを拒否した。Googleの広報担当者は、同社のランキングアルゴリズムは200以上のシグナルをチェックしているが、サービスの悪用を避けるため、アルゴリズムの仕組みの詳細は説明できないと語った。
それでも、研究者はアルゴリズムについてもっと知りたいと考えている。
カリフォルニア大学バークレー校ジャーナリズム大学院の学部長補佐代理を務めるJeremy Rue氏は「研究者はFacebookのアルゴリズムを調べられないので、この問題が実際にどの程度Facebook固有のものなのかはよく分かっていない」と語った。
テキサス大学オースティン校ムーディ・コミュニケーション学部のジャーナリズムの助教、Mary Bock氏は、「Googleは他の人々がクリックした情報を表示する」としつつも、「そのアルゴリズムはブラックボックスだ」と語った。
Zuckerberg氏は、Facebook上の虚偽ニュースが大統領選挙の成り行きを決めたという意見を否定した。同氏は10日、この意見は「非常にクレイジーな考え」と表現した。12日には、自身のFacebookページに長文を書き、虚偽ニュースはFacebook上のすべてのコンテンツの1%にも満たないと繰り返した。だが、同氏は「ニュース」コンテンツの何%が虚偽かどうかは語らなかった。
人々の思考やふるまい、あるいは投票などに影響を与えるような力はFacebookにはないと主張するZuckerberg氏に、すべての人が賛同しているわけではない。
Pew Research CenterのHolcomb氏は「Facebookでニュースを読む人数の規模を考えると、一企業、特に自らを報道機関だと認識していない企業があまりにも大きな影響力を持っていることに衝撃を受ける」と語る。
Facebookの中にも、同じように感じて不満を抱えている従業員が複数いる。BuzzFeedは14日、そうした従業員の何人かが、虚偽ニュースの表示でFacebookが担った役割を探求するためのタスクフォースを結成したと報じた。その中の1人は、Zuckerberg氏の見解に真っ向から反対した。「クレイジーな考えではない」とその従業員はBuzzFeedに語った。The New York Timesによると、同社の幹部チームも虚偽ニュースを議題に会合を開いたという。
少なくとも1人の元Facebook従業員が、公にZuckerberg氏を批判した。現在はAirbnbで研究担当ディレクターを務めるJudd Antin氏は、Zuckerberg氏の否定は実態に即していないと評した。同氏は、1日当たりの訪問者数が12億人というFacebookの規模の巨大さを指摘した。虚偽ニュースを見るのが全訪問者のわずか1%だとしても、1200万人が見ることになる。
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