マサチューセッツ工科大(MIT)の研究者らは米国時間11月7日、道路を走る自律走行車と同じ技術を使って屋内などを移動できるスクーターを発表した。
Googleなどの企業は、完全な自律走行車が高齢者や視覚障害者などの交通弱者にとって理想的な交通手段になりうると考えている。だが、車は移動の一部を担えるにすぎない。駐車場に着いて車から降りた交通弱者が、職場やアパートやショッピングモールに行くにはどうすればいいだろうか。
MITのコンピュータ科学および人工知能研究所(CSAIL)の研究者らは、自律走行車や自走式ゴルフカートの利用状況に合わせて乗車予約ができる自律走行型のスクーターならこの問題を解決できるかもしれないと考えている。
MITの研究者らは、シンガポール国立大学(NUS)のエンジニアらと共同で、それまで自律走行車や自走式カートで使われていたのと同じセンサやソフトウェアをスクーターに搭載して、テストした。
屋内での走行試験も行われたこのスクーターを利用することで、1人の人間が廊下を移動して玄関から外に出て、自走式カートで駐車場まで移動し、自律走行車で公道を走るという包括的な自律型モビリティシステムを実現できると、研究者らは考えている。
ただし、屋内の移動では、障害物を避けたり狭いスペースを通ったりするという独自の問題が発生すると、NUSで機械工学を専攻する大学院生のScott Pendleton氏は言う。同氏は、NUSとMITが共同で設立した研究施設SMARTの研究主任も務める人物だ。
「われわれがテストを行った場所の1つがMITのInfinite Corridorだったが、ここは非常に長い廊下で、これといった特徴がないため、現在地の特定が非常に難しい。廊下のどの地点にいるのかわからなくなることがあるのだ。だが、われわれのアルゴリズムは、この新しい環境でも非常にうまく動作することがわかった」とPendelton氏は述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」