トヨタが米Uberに出資したらしいというニュースがしばらく前に流れていたが、このUberをはじめとするライドシェアサービスの各社も自動運転車関連で目を離せない存在。そのことは読者の方もご存知の通りだが、前回の記事に書いたLyftもそうだし(General Motorsの支援を取り付けて自動運転技術の開発に一枚噛んでいる)、中国市場からUberを追い出したことが話題になったDidi Chuxing(アップルが10億ドルを出資したベンチャー)でもすでに開発の準備に取り掛かっているという(先日公開のBloomberg特集記事のなかにそんな話が出ていた)。
そんなライドシェア事業者と自動車メーカーとの関係がとても微妙であることも、改めていうまでもないことかもしれない。その点に関する細かなことは別の機会に回すとして、今回KIROBO mini発表のニュースを目にしながらまっさきに思い浮かんだのは、これがユーザーにとっていちばん身近な存在になった場合、ユーザー(人間)からみた各社の「序列」が一気に入れ替わるのか、といったこと。完全な自動運転車の実現というのがこの前提にあるが、まずは「序列」の変化について記してみる。
現在:
人間 > Amazon(Echo) > Uberなど > 自動車メーカー各社
KIROBO miniが「うまく割り込めた」場合:
人間 > トヨタ(KIROBO mini) > Uberほか、自動車メーカー各社(トヨタ以外)
簡単にいうと、現在の序列ではトヨタはUberにとってワン・オブ・ゼムの選択肢にすぎない(実際に、Uberは9月に米ピッツバーグで自動運転車をつかったライドシェアサービスの提供実験を始めたが、スタート時に用意した車両はFord車がベースだし、またそれとは別にVolvoとも手を組むと同時に発表してもいた)。それに対して、KIROBO miniが人間にとっていちばん身近な存在になった場合は、どんな交通手段をつかって人間を目的地に運べばいいか、その選択権をトヨタが手にする可能性が考えられる。
こう書きながら次々と新たに疑問あるいは説明が必要な事柄が浮かんでくる。「そもそもGoogleがなんでわざわざ「Pixel」というスマートフォンを出してきたのか(サムスンとの関係が悪化しそうなリスクを知りながら)」とか、あるいは「Sundar Pichai氏(Google最高経営責任者:CEO)が言うように、音声UIでAIと対話することが主流になったら、Google自身はどうやって広告をユーザーに提示するのか」、さらには「Appleの『AirPod』(ワイヤレスヘッドホン)の入力口として意味合い」とかそういったことだ。
この話題、1回で済む話ではないことが明らかになってきたので、この続きは次回とさせていただく。
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