警察がカリフォルニア州オークランドやメリーランド州ボルチモアで人種問題に端を発する抗議行動の追跡に利用したソーシャルメディア監視プログラムに、Facebook、Twitter、Instagramがユーザーデータのフィードを提供していたと、アメリカ自由人権協会(ACLU)が米国時間10月11日に発表した。
この監視プログラムはシカゴに本拠を置くGeofeediaが開発したもので、ユーザーの位置情報をはじめとする個人情報が含まれている場合が多く、合わせて500の警察や治安機関に提供されたとACLUは伝えている。この人権団体によれば、Twitterおよび、Instagramの親会社であるFacebookは今回の調査結果を受け、Geofeediaに対してデータストリームへのアクセスを制限する措置に出たという。
ACLUのレポートは、ソーシャルメディアが民間人による抗議活動や犯罪行為を追跡する監視ツールとして利用されるケースが増えていることを示すものだ。ソーシャルメディアを提供する各企業は活動家や市民運動、表現の自由に対して支持を表明しているものの、特にマイノリティの住む地域でこのようなデータが抗議活動の監視に利用されるケースが多いと、ACLUは指摘している。
「このような(ソーシャルメディア企業が表明している)立場と彼らが提供しているデータアクセス権限との間には、深刻な乖離がある」と、ACLUでテクノロジと市民の自由に関する政策を担当する弁護士、Matt Cagle氏は声明の中で述べている。
Cagle氏はまた、ソーシャルメディア企業が監視を防止する対策を実施していないことに、ACLUがいら立ちを感じていると述べた。
一方、Twitterは、ACLUのレポートの内容を精査したのち、Geofeediaによるデータへのアクセスを禁止する措置を取ったという。
「ACLUのレポートに書かれた情報を受け、商用契約によってGeofeediaに与えていたTwitterデータへのアクセス権をただちに停止した」と、Twitterは11日に発表したツイートによる声明で述べている。
また、Facebookは、Geofeediaがアクセスできるデータフィードは、ユーザーが公開設定した情報に限定されていると説明している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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