ユーザー登録に必要なのは、個人の基本情報と銀行口座情報、クレジットカード情報、英国版マイナンバー「National Insurance Number」。アプリをインストールして基本情報を入力し、銀行口座からの引き落としを設定。カード決済時の端数切り上げで投資をしたいならオンラインバンキングまたはクレジットカードとの接続が必要となる。
英国版マイナンバーが必要な理由は、「ISA(Individual Saving Account)」を開設する必要があるため。これは英国政府が用意しているスキームで、国民1人につき1口座開設が可能な投資用口座。年間投資額の上限が決められているが、その範囲内であれば投資から得た利益に対しては非課税となるシステムだ。ちなみに日本のNISA(少額投資非課税制度)はこのISAを参考にして作られている。
National Insurance Numberがない場合は、課税対象となるがGIA(General Investment Account)を開設して利用可能となる。
ユーザーは、登録時に自分がどのように投資したいか、3つのオプションから選ぶことができる。ローリスク・ローリターンで安全に投資したい人向けの「cautious」、cautiousよりはリスクを取りたいがハイリスクはちょっと…という人向けの「balanced」、そしてリスクは高くてもリターンに期待したい人向けの「adventurous」だ。
これらは、世界的に有名な投資会社3社のファンドをそれぞれパーセンテージを変えて組み合わせて作られたプラン。人それぞれリスクの取り方が違うことを配慮しつつも、選択肢を3つに絞ったことでシンプルな投資を実現している。
FinTech系サービスにもっとも求められるのはセキュリティ。少額から投資できるといってもユーザーの大切なお金を扱うため、Moneyboxもセキュリティや補償に力を入れている。
Moneyboxは、英国の金融行為監督機構(Financial Conduct Authority)から認可を受けており、Moneyboxを通しての投資は政府の金融サービス補償制度で5万ポンド(約650万円)まで補償される。個人情報の保護にも、銀行で使用されるレベルの情報暗号化システムを採用し対策を取っている。
共同創業者であるBen Stanway氏は、ローンチまでの1年間、このような制度やシステムの導入、そしていかにシンプルな投資サービスを作るかをチームで奔走したという。
まだローンチして間もないMoneyboxだが、ベータ版アプリでの全ユーザーの平均的な利用状況について次のように公開している。
そして、75%のユーザーがカード決済時の端数切り上げによる投資に加え、一括入金や1週間ごとの定額入金を利用していたという。1回の投資額こそ少額だが、だからこそ続けられるというメリットもあるだろう。Moneyboxはミレニアル世代の投資リテラシーを高めることができるか。
(編集協力:岡徳之)
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