相乗りサービスは終わったわけではない。それどころか、ハイテク各社が、業界の常として、新たに参入して相手を倒そうとしている。そうしたなか、また新たな相乗りサービスがサンフランシスコ地区に登場する。ただし、他の多くのケースと異なり、参入するのは新興企業ではない。それとは正反対の存在、Googleだ。
そう、あの大手Googleが相乗りサービスの競争に加わろうとしている。とはいえ、このサービスは「通勤シェアリング(commutesharing)」と呼ぶ方が適切かもしれない。Googleは、自社の「Waze」アプリを使った相乗りの小規模な実験プログラムを本社周辺で始めていたが、それを拡大することにしたと、The Wall Street Journal(WSJ)が報じた。このプログラムは、同じ方向に通勤する人たちを結びつけることを想定している。
UberやLyftとの大きな違いはこの点にある。現在の実験プログラムでは、同乗者が支払う料金は1マイル(約1.6km)あたり54セントで、Googleは手数料を取っていない。この金額では、運転を仕事にするには十分ではないが、それで構わない。なぜなら、Googleも、相乗りのドライバーが仕事になることを望んでいないからだ。仮にそうなった場合、通勤の改善にはつながらず、路上に稼ぎ目当ての車が増えることになるだろう。現状では、同乗者1人に対して得られる金額は、ガソリン代の一部か、軽い昼食代程度でしかない。
この実験プログラムでは、ユーザーは自分を同乗者または運転者として登録できる。今のところ、同乗者が車に乗れる回数は1日2回に制限されているが、これは通勤での利用が前提となっているためだ。運転者はGoogleの従業員ではないようで、WSJが情報筋の話として伝えたところでは、運転者のチェックはユーザーの評価に基づいて行われるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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