Appleは、9月にも新型のフラッグシップスマートフォン、iPhone 7とiPhone 7 Plusをリリースするとみられる。例年、新しいハードウェアの発売直前に、開発者会議WWDCで発表した最新のiOSを正式にリリースしてきた。
9月に予定されているiPhone発売直前には、iOS 10がリリースされる予定だ。もしも新しいiPhoneを購入する予定がある人は、あらかじめ、手元のiPhoneをiOS 10にアップグレードしてから、iTunesやiCloudにバックアップを取ると、スムーズに新端末に移行できるだろう。
Appleは、正式なリリース前から、開発者向け、一般向けのベータテストを実施している(beta.apple.comで登録と試用が可能)。原稿執筆時点の8月24日現在は、iOS 10 Public Beta 6を試している。
このバージョンを用いて、きたる最新のiPhone体験をiOS 10から読み解いていく。
iOS 10を発表する際、「史上最大のアップデート」とのキャッチフレーズがついた。最新の機能はさることながら、iOSの基本的なデザインや操作方法にも変更が施されている点も見逃せない。
第一印象としては、既存のiPhoneユーザーを置いてきぼりにしない範囲で、しかし全く新しいスマートフォンを手にするような感覚を与えてくれるだろう。
変化は、iOS 10を導入したiPhoneを手に取った瞬間から感じ取れる。iPhoneを机から持ち上げたり、ポケットから取り出して自分の方に向けたりすると、自然と画面が点灯する。電源ボタンやホームボタンを押さなくても、時計のチェックや届いている通知を見渡せるようになった。また、ロック画面でできることが非常に増えている。
ホーム画面を左にスワイプするだけで、ウィジェットを表示できる。今までウィジェットはさほど重視されない機能だった。前述のように通知センターを開いてさらに画面を切り替えなければ表示できないのであれば、必要なアプリを開いた方が早かったからだ。
ロック画面にウィジェットが採用されたことで、ホーム画面に行かなくてもより多くの情報を確認できるようになる。iOS 9向けアプリのウィジェットもそのまま利用できるが、アプリがiOS 10の新しいロック画面に対して、あらたなウィジェットを提供するようになると、ロック画面の使い勝手はより高まるだろう。
アプリから届く通知は、われわれに新しい情報の着信を知らせると同時に、アプリの起動を促すシグナルのような役割になった。通知が届くとホーム画面に表示され、それをタップすればアプリの新着情報にジャンプする。あるいは、通知が届いた際に、簡単な返信を行う機能は搭載されていたが、iOS 10では、この通知も新たなデザインになっている。
「インタラクティブ通知」「リッチ通知」などと呼ばれるこの機能は、届いた通知を開いて、画面上でより多くの操作を行える仕組みだ。
例えば新着メッセージが届いた際、iPhone 6s Plusの3D Touchを用いて通知を押し込むと、通知画面が拡大され、その人から届いたメッセージのスレッドを表示できる。もちろんその画面から返信でき、拡大した通知を開きっぱなしにしておけば、相手から届いた次のメッセージも同じ画面の中で見られる。
今までであれば、通知のメッセージ以外、その通知以降のメッセージを見たり、2通以上そのメッセージに返事をしたりするためには、ロック解除をしてメッセージアプリを開く必要があった。iOS 10のインタラクティブ通知に対応したアプリであれば、アプリを開かなくても、通知の中でメッセージのやりとりを済ませられる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」