logo

「ロボットタクシー」の可能性--2020年東京五輪でハイテクの目玉になるか - (page 2)

Katie Collins (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2016年08月26日 07時15分
  • 一覧
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ロボットタクシーは、日本のロボット工学企業ZMPとの共同事業だ。ZMPは2009年から自動運転車技術の開発に取り組んでいる。この分野に従事しているのはZMPだけではない。ロボットタクシーと、直接の競合であるUber(独自の無人タクシーサービスの試験を今週開始した)などの違いは、ロボットタクシーが日本生まれであり、日本の政府や規制当局の支援を受けて、高度にカスタマイズされている点だ。

figure_3
ロボットタクシーは既に公道での実証実験を開始している。
提供:Robot Taxi/M.Obana

 この技術は、自動車メーカーが開発した方式とも異なる。特定のブランドだけに対応するものではなく、どのような自動車にも組み込めるからだ。ロボットタクシーが2月~3月に神奈川県藤沢市の公道で実施した試験では、運転手はトヨタ自動車の「エスティマ」(海外での名称は「PREVIA」)に乗車した。秋山氏は、他の自動車でも全く問題なかったはずだと述べる。

 半自動の自律走行車という試みもあり、今後数年で公道を走るようになる見込みだが、ロボットタクシーはそれを目指すのではなく、運転手が全く必要ない完全自動化を目標にしている。

五輪を機に社会変革を目指す

 東京五輪は自動運転技術が普及するきっかけになるはずだが、実際のターゲット層は、東京中心部の通りを移動するスポーツファンではなく、ロボットタクシーがなければ移動に苦労するような田舎に住む人々だ。

 DeNAはこの技術を活用して、日本の高齢者たちの移動を助けたいと考えている。日本の田舎に住む人々の多くは高齢者だ。こうした地域では孤立化が進んでおり、公共交通機関の路線が縮小、場合によっては廃止されることもある。

 「タクシー運転手さえいない。だからこそ、こうした地域に住む人々にとって、ロボットタクシーには大きな魅力がある」(秋山氏)

 DeNAは、無人タクシーの最初の実証試験における重要な要素の1つとして、この技術が一般の人々にどれだけ受け入れられるかを調べた。高齢者の意見が反映されるように、61歳以上の人が参加者の40%以上を占めるようにした。実証試験の結果は、参加者はこの体験に好印象を抱いており、唯一の不満は、自動車が過度に慎重になる傾向がある、というものだった。

立ちはだかる規制

 ロボットタクシーの公道走行を実現する上でのもう1つの課題が規制だ。

 日本が批准した「道路交通に関する条約」が、大きな障害となっている。この条約の第8条には、「1単位として運行されている車両または連結車両には、それぞれ運転者がいなければならない」と明記されており、無人自動車に関して、この条項が問題になる可能性もある。

 DeNAは規制当局や政府と連携して、その制限を迂回する方法を模索している。これまでのところ、その制限が原因で実証試験が中止になるような事態は発生していない。解決策の1つは、フィンランドに倣うことかもしれない。優秀なコンピュータプログラムは事実上の「運転手」である、とフィンランドは主張している。

 「ある意味で、この条項はいろいろな解釈が可能だが、規制に抵触しないように注意したい」(秋山氏)

 とはいえ、無人タクシーを公道で広く利用できるようにすることが優先事項というわけではない。ロボットタクシーサービスの提供範囲が日本の隅々まで拡大するのは、2020年東京五輪以降のことだろう。現在の計画は、日本語を話せない外国人訪問者が五輪の会場から会場へと移動できるようにすることだ。

 「現時点では、一部の限定された地域での運用を考える方がはるかに現実的だ。しかし、何が起こるかは誰にも分からない。規制でどれだけ認められるか、そして技術がどれだけ追いつけるかによって、状況は大きく変わるだろう」(秋山氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]