「Googleマップ」の新しいレンダリングエンジンによって、モバイルとデスクトップにおけるストリートビューの体験がはるかにスムーズになった。
新しいレンダリングエンジンでは、ストリートビューを通じて世界を探索する際、「パンケーキ」機能を利用したり、前方に進んだり、建物を見上げたりすると、著しくスムーズな体験になったことが分かるはずだ。
米国時間8月17日にリリースされたこのアップデートにより、ストリートビューである場所から別の場所へと移動する際に見られるコマ落としのようなカクカクした表示、よじれて見える建物、ぎくしゃくしたアニメーションがなくなるはずだ。また、モーショントラッキング、タッチ操作のサポート、よりリアルな街並みなど、モバイルブラウザ版ストリートビューに大きな改善がもたらされる。
デスクトップ版ストリートビューの改良でも、ナビゲーションの制御機能が強化されている。今後は、前方に進むと、方角を示す既存の矢印に加えてカーソルに「X」が表示されて、次のランディングスポットが示される。建物や木々などの垂直面では、壁に四角形を表示して、カメラが指す方向を示している。
新しいレンダリングエンジンでは、路上で2つの地点間を移動する際の変化がさらにスムーズになり、跳ぶのではなく滑るように移動する感覚が得られる。また、新しいコンテンツを読み込む際に低解像度の画像を使うことで、画像を回転させる際に生じる表示の乱れにも対処している。
さらに、ストリートビューでのオブジェクトモデリングも改善されており、特定の視点から建物を見ると違いが容易に分かるはずだ。旧レンダリングエンジンでは、一部の建物の縁がずれたり、よじれたりして見えることがあった。Googleによると、新しいレンダリングエンジンでは、あらゆる可能な視点を考慮する360度のモデルを構築することで、これらの不具合を修正したという。
モバイル版における大きな改良の一部は、ブラウザでのグラフィックスレンダリングにWeb Graphics Library(WebGL)を用いる新しいレンダリングエンジンのおかげだ。そのためモバイル版では、魚眼レンズを通したように歪んだ画像ではなく、WebGLを使用してもっとリアルな感じでレンダリングした世界が表示される。
モバイルウェブブラウザではタッチベースのジェスチャーにも対応し、ピンチズームやダブルタップなど、すでに「Android」版Googleマップアプリで使える機能が利用可能になった。これまで、ズームには「+」または「-」ボタンを押す必要があったほか、移動の操作には地上の矢印キーをタップしていた。
最後に、新しいモーショントラッキング機能を使用すると、モバイルデバイスのユーザーはデバイス本体を動かして、ストリートビューでの視点を変更できる。開発者は、自分のアプリでもこの機能を利用できる。
Googleは新しいレンダリングエンジンを「Google Maps JavaScript API」でリリースしており、開発者はこれを利用して自分のアプリを改良できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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