UPDATE Appleの最高経営責任者(CEO)を務めるTim Cook氏は、The Washington Postが「広範囲にわたって自らを深く見つめ直したインタビュー」として米国時間8月13日に公開した2つの記事の中で、さまざまな話題に触れた。その内容は、故Steve Jobs氏を失ってその後を継いだことから、AppleとFBIとの間の最近の対立、自身が助言を求める相手にいたるまで多岐にわたる。
The Washington Postは、内容を適切にまとめた概要をインタビューの前に掲載しているが、本稿でもその主な内容をいくつか紹介する。
失敗:「Apple Maps」をめぐる過ちや、リテール部門の統括者として当初不適切な人物を採用してしまったことを認めた後、Cook氏は自身の職務を孤独だと述べた。
「CEOの職務は孤独だという格言は、多くの面で的確だ。私は同情を求めているわけではない。自分に盲点があることに気付く必要がある」と同氏は述べた。「誰にでも盲点はある。盲点は変わっていくので、非常に聡明というだけでなく、自分の背中を押してくれて、自分から最大限の力を引き出してくれる人々が周囲に必要だ」(Cook氏)
スマートフォン市場の飽和:Appleの事業の大部分が「iPhone」と減速しつつあるスマートフォン業界に縛られているという考え方は「問題ではなくむしろ特権だ」とCook氏は述べた。
「こう考えてほしい。家電製品で、製品に対するユーザーの比率が長期的に1対1になる製品が他にあるだろうか。他にはないと私は思う」(Cook氏)
Cook氏は、人工知能(AI)が鍵になると述べた。「AIによってこの製品はユーザーにとってさらに不可欠なものになる。現在のものよりもさらに優れたアシスタントになるだろう。ユーザーはおそらく現在、スマートフォンを持たずに家を出たりしないだろうが、将来はスマートフォンと本当につながっている状態になる」と同氏は述べた。「パフォーマンスのレベルは飛躍的に高くなる。そしてこれに代わるものは、短期的にも中期的にも現れない」(Cook氏)
最悪の日:Cook氏は5年前の2011年8月24日、Jobs氏からCEOの職を引き継いだ。Jobs氏が死去する6週間前のことだ。Jobs氏がもっと長い間そばにいてくれると思っていたと同氏は述べた。
「(同氏が亡くなった日は)それまでで最悪の日だった。私はただ自分に言い聞かせた。今となってはおそらく奇妙に聞こえるだろうが、彼が戻ってくるだろうと自分に言い聞かせたのだ。彼はいつもそうだったから」(Cook氏)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」