最近のAppleは違う。
しかし、現在の違いは、これまでの違いよりも優れているのだろうか?
Appleが製品やソフトウェアをリリースすればするほど問題が出てくる、というある種の印象を受ける。
「Apple Watch」は成功したかもしれない(もしくは、しなかったかもしれない)が、一部の人々の心を動かした理由がより礼儀正しい気分にさせてくれるからという製品に対し、どうすれば興奮を覚えられるだろうか?
そして、「Apple Music」。多くの人を混乱させ、心を奪われた人は極めて少数だ。
これは、感動が失われたということだろうか?それとも単に、シンプルさが街から姿を消したということなのだろうか?
Appleの広告を担当し、有名な「Think Different」キャンペーンのクリエーターだったKen Segall氏は先週、The Guardianに寄稿し、現在のAppleに対する冷静かつ目が覚めるような見方を示した。
「Tim Cook氏のAppleは、Steve(Jobs氏)のAppleほどシンプルでないと感じる人の数が増えている」とSegall氏は記している。「そういった人たちは、拡大する製品ライン、紛らわしい製品名、そして、製品そのものに複雑さを認めている」(Segall氏)
Segall氏は、Appleの製品命名法に耐えがたいほどの複雑さを見いだしている。
Segall氏によると、「s」バージョンの「iPhone」を作るのは、顧客に対し、「大きな変化がない年」であることを示唆することになるという。同バージョンのiPhoneは、たとえば「Touch ID」のような技術的な改良が施されているかもしれないが、前年モデルの性能を高めただけのバージョンという印象をそれでも与える。
このことは、マーケティングをかなり難しくすると同氏は述べる。もっとも、「s」の名称を最初に生み出したのはJobs氏だ。しかし、より多くの端末をより頻繁に世に送り出す必要性が、批判的思考の欠如を助長したようだ。
Appleにコメントを求めたが、直ちには得られなかった。
しかし、本質的には、1つの簡単な説明ですべての複雑さの理由を語れる。Appleは、以前に比べて非常に大きく、より複雑な企業になったということだ。
その必要はなかったが、Appleはそうなることを選んだ。自社製品をより多くの人により多くの国でより多様な方法で提供できるよう、拡大することを選んでいる。
この選択とともに求められたのは、インスピレーションを得る能力よりも組織をまとめる能力に優れた最高経営責任者(CEO)だ。
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