電源ボタンはスライド式--京セラが取り組む「かんたんケータイ」のこだわりと進化

 2005年6月に発売した初のかんたんケータイ「W32K」。当時のカメラは131万画素だった。
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 2005年6月に発売した初のかんたんケータイ「W32K」。当時のカメラは131万画素だった。

 KDDIが夏モデル第2弾として発表した、シニア向けの新製品「かんたんケータイKYF32」(京セラ製)。かんたんケータイKYF32は、2012年の「K012」以来4年ぶりとなる製品だ。

 2005年にリリースした「W32K」を皮切りに続いてきたこのシリーズは、KYF32で10台目になる。

歴代モデルのラインアップ
歴代モデルのラインアップ

 京セラは8月9日、歴代のかんたんケータイシリーズを振り返るとともに、KYF32の最新機能について説明会を開催した。

4年ぶりの新製品、ニーズはまだある

 2012年から4年の空白があったことについて、「商品の導入に関して、あくまでキャリアとの関係の中でいつ投入するかを協議している。いったん4年空いたのは事実だが、その間も新しいモデルに向けてさまざまな需要を調査をしてきた」と説明する。

購入形態の変化。2013年の調査結果だが、現在も大きく変わらないという
購入形態の変化。2013年の調査結果だが、現在も大きく変わらないという

 かんたんケータイの特徴は「聞きやすさ」「見やすさ」「押しやすさ」「あんしん」の4つがある。

 2012年ごろから新規購入よりも機種変更の割合が高くなり、94%にものぼる。調査は2013年のデータだが「直近で見てもそこまで大きく変わらない」という。

 かんたんケータイからのかんたんケータイへの機種変更だけでなく、通常のフィーチャーフォンからかんたんケータイへの切り替えも高いのが特徴で、加齢に伴う視力の低下や聴力の低下とともに切り替えるケースが増えているとした。

ターゲットユーザーのニーズ
ターゲットユーザーのニーズ
日本の人口推計
日本の人口推計
au VoLTEの特徴
au VoLTEの特徴

 日本における60歳以上の人口は、男性は30%、女性は36%にのぼる。今後も高齢化に伴う身体の衰えに対するサポートを重点的に行っていくとした。

 KYF32は、シリーズで初めて高品質通話ができる「VoLTE」に対応。従来(200Hz~3.4kHz)よりも幅広い50Hz~7kHzの高音域まで対応し、よりクリアな音声で聞きとりやすくなった。

 ひとりひとりの“聞こえ”に合わせて聞きとりにくい音域を調整できるほか、通話字に耳当ての位置を気にしなくても聞きとりやすい“スマートソニックレシーバー”を搭載する。キーの形状は視認性に配慮し、電源ボタンも長押しなどの操作が必要ないよう、「入」「切」の独立したスライドスイッチ型の電源ボタンを搭載する。

キーのサイズは従来よりも大きくなり、押しやすくしている
キーのサイズは従来よりも大きくなり、押しやすくしている
歩数計に連動した「東海道五十三次」
歩数計に連動した「東海道五十三次」

 シリーズ最大の3.4インチ液晶を搭載し、高精細化したことで、写真や画面の文字も大きくきれいに表示できるようになった。また、指で触れた時に形がはっきり分かりやすいフラットキーを搭載したことで、キー入力をしやすくしている。

 カメラはシリーズ最大の約800万画素と「手ぶれ補正機能」を搭載。撮影時に指にレンズがかかると注意画面を表示してくれる「指がかりアラート」も搭載した。

 安全面での配慮も進化した。緊急ブザーキーをサイドに配置し、長押しするとブザーが鳴動すると同時に、ブザーが鳴らされたことと位置情報を、「ワンタッチキー」に登録している人にメールで知らせるようになっている。

 また、ディスプレイの進化に合わせて、歩数計と連動して歌川広重の浮世絵を楽しめる「東海道五十三次」も搭載。さらに、自動で1日1回、歩数情報をワンタッチキーに登録している相手にメールで送信できる機能も持つ。

 新たに耐衝撃に対応したほか、防水、防じんにも対応しており、より安心して利用できるようになっている。

 京セラの強みは、11年に渡る開発の過程で得た高齢者向けのノウハウを持っていることだ。

 今はおサイフケータイやLINEが使えない、シンプルなものになっているが、今の50代が60代になる頃には、また異なる要望が増えると見る。今後の高齢化社会に対し、ニーズを捉えながら継続的にモデル導入を図っていきたいとした。

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