日米で人気を博す高耐久性スマートフォン「TORQUE」を販売する京セラは、2月に同製品の欧州進出を発表した。さらに、3月2日よりスペイン・バルセロナで開催されたイベント「Mobile World Congress 2015」(MWC)で、Windows Phone 8.1を搭載したスマートフォンのプロトタイプを展示するなどして、事業拡大を進めている。
MWC会場で実施されたグループインタビューで、京セラ 通信機器事業本部 通信機器営業統括部長の能原隆氏が、同社の海外スマートフォン戦略を語った。
国内では「DIGNO」シリーズをはじめ、シニアや子供向けなど個性派スマートフォンを多く手掛けることで知られている京セラ。同社は米国市場においても、TORQUEを中心に防水や耐衝撃性能を備えた高耐久性スマートフォンや、プリペイド向けの低価格スマートフォンを提供し、一定のシェアを獲得している。
その京セラが去る2月12日、「TORQUE KC-S701」をドイツやフランスに向けて販売し、欧州展開を本格化すると発表。さらに2月24日には、Windows Phone 8.1搭載スマートフォンのプロトタイプをMWCに展示すると発表するなど、スマートフォン事業の拡大に向け、新たな手を次々と打ち出している。
京セラは2年前からMVCへの展示を実施し、日米以外での事業展開のタイミングを計ってきたと、能原氏は話す。そうした中で具体的なビジネスの進展があり、欧州での本格展開に向けた動きが加速していったのだという。フランスとドイツでの販売ルートは今後発表されるとのことだが、「コンシューマとビジネスの2つのルートがあるが、比重としては法人に置いている」(能原氏)としており、法人向けを主体とした販売となるようだ。
Windows Phone対応のプロトタイプをMWCに参考出展したのも、やはり法人向けの対応が大きいようだ。「顧客の企業システムがWindowsで構築されているのに、Andoridoの端末しか用意できないのは問題」(能原氏)とのことで、顧客の要望に応じるべくOSのバリエーションを広げることが、Windows Phone対応端末開発の大きな狙いのようだ。ちなみに国内向けのWindows Phoneの展開に関して、能原氏は「分からない」と答えている。
また欧州ではキャリアを通した販路だけでなく、キャリアを通さず自社で販売するオープン市場での販路も存在する。そのため京セラとしては、キャリアへの採用ではなくオープン市場で販売する選択をしているそうだが、キャリアを通さない分自身で販路を拡大する必要があるなど、従来のビジネスとは大きく異なる取り組みが求められているという。ただ、一度そうした販路を開拓できれば、自身で端末を販売できる仕組みを作り上げられるメリットがあるとしている。
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