ゲームやキュレーションなど、一部の事業ではすでにディープラーニングを活用したものをサービスに入れ込んでいまして、効率が改善したレベルでの効果は見えています。10~20%効率を上げましょうというところは、すでに見え始めているので、今回の囲碁のように一気に進化するようなものを、どのような形で世の中に出せるかを模索していきたいです。
実は明確に何か基準があるわけではないのですが、事業規模によって大きく2つに分かれます。1つ目が、初期投資を含めてコストが大きくかかるもの、2つ目がアプリなどそこまでコストがかからないものです。
まず、数億円、数十億円かかるものについては、やはり参入して勝てるのか、どういったリスクあるのかなどを、きっちり精査しないといけないので、経営会議や取締役会で議論して、これはいけそうだねというものを通しています。
もう一方の、数千万円規模の事業についてですが、たとえば、いまではみんながTwitterを使っていますが、最初に140文字以内で自由につぶやけて、フォローしあえるというコンセプトを聞いて、これはいいねと言った人はあまりいないと思うんです。そこで「成功すると思いますか」と延々と議論していても進まないですよね。たぶんボツになる可能性が高いと思います。
ですので、投資額が小さいものについては、とりあえず作ってみようと。それで消費者に受け入れられてきたら、組織も大きくしてどんどん事業にしていけばいいじゃないという形で、基本的には現場に任せています。
また、これまでいくつか撤退した事業もあるのですが、僕は自分たちの撤退の仕方がうまいかというと、そうでもないのかなと思っています。やはり新しいことをするためには、何かをやめない限りはどんどん(事業の幅が)広がってしまいます。もう少し撤退については、会社としてうまくならないといけないのかなと思います。
投資家も含めて、いろいろな方に同じことを聞かれますが、われわれはインターネットを活用して、さまざまなサービスや事業を作っていく会社です。スマホやIoTの時代になると、インターネットの影響力はますます大きくなりますので、そのポテンシャルを活用して幅広い事業に参入し、(その領域を)変えていく存在になります。今後はそれに加えて、AIを活用して世の中に新たな価値を提供していく会社になりたいですね。
※第2回「守安功氏の“組織論”」は8月11日(木)に掲載
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