Appleの第3四半期決算はアナリスト予想を辛うじて上回ったものの、ハードウェアの売れ行きは極めて低調だった。
まず「iPhone」から見ていこう。販売台数は4040万台で、2014年第4四半期以降で最低だった。決して危機的な状況ではないが、この数字は、iPhoneの売れ行きの低調さと新型iPhoneを成功に導く必要性の切実さを物語っている。
もっと心配なのは、iPhoneの平均販売価格が第3四半期に急落したことだ。具体的には前期の641ドルから約595ドルに低下した。これは、アナリスト予想の606ドルよりも低い。
このことは、消費者が高価なモデルではなく低価格、小容量のiPhoneの購入を選択していることを示唆している。これは低価格の「iPhone SE」が原因である可能性が高い。Appleは新しいユーザーをiPhone陣営に勧誘するのにiPhone SEを利用している(おそらく、いずれは上位機種のiPhoneを購入してもらおうとの狙いだろう)。
だが本当に懸念すべきなのは、iPhoneの売り上げの低迷に加えて、Appleが「iPad」と「Mac」の周りに張り巡らせたセーフティーネットも失われつつあることだ。
iPadの販売台数は粘り強く1000万台近辺に留まっているようだが、売上高が増加したのは、平均販売価格の上昇が原因のようだ。ここ数四半期、iPadの平均販売価格は430ドル近辺で推移していたが、第3四半期には、それが490ドルに上昇した。
したがって、iPadの販売台数は増えていないが、Appleが同端末から得る売り上げは拡大している。その理由の1つとして考えられるのは、「iPad Pro」の販売台数が増加し始めていることだ。
Macの状況も厳しい。販売台数は430万台で、平均販売価格は1230ドル近辺で推移している。
こうした厳しい状況の中で、希望の兆しは意外なところからもたらされた。「Apple Watch」だ。Above AvalonのアナリストでAppleウォッチャーのNeil Cybart氏のデータから導き出された試算では、Apple Watchの販売台数は約160万台。平均販売価格を約400ドルと仮定すると、Appleのスマートウォッチ事業は現在、1四半期あたり約6億4000万ドルの価値があることになる。
iPhoneに比べるとちっぽけな数字だが、Apple Watchは堅実な成長を示している。依然として第1世代の端末であることを考えると、なおさらだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス