当面はこの4カ国にフォーカスするが、世界展開を諦めたわけではないと出澤氏は話す。現状、海外でヒットしている競合アプリは、通信環境が良くないところでも利用できる“メッセンジャー特化”のコミュニケーションサービスが中心となっている。
しかし、今後は4Gなどの高速通信が世界中に広がることで、よりリッチなコミュニケーションが各国で求められるようになると出澤氏は見ている。そのタイミングで一気に世界に打って出られるように、まずは主要4カ国で、あらゆるサービスの入り口となる“スマートポータル”を実現し、足場を固めたい考えだという。
今回の上場にあわせて話題となっているのが、LINEの“生みの親”と言われながら、これまで日本のメディアの前にはほとんど姿を現していない取締役 CGO、シン・ジュンホ氏の存在だ。実際、ストックオプション(新株予約権)の割合を見ると、ジュンホ氏は5.12%と圧倒的に高い一方で、日本の社長である出澤氏や取締役 CSMOの舛田淳氏はわずか0.05%となっている。
この点について、出澤氏は「インターネット業界ではゼロイチでプロダクトを作った人間が一番称賛されるべき。そこの価値観で物事を判断していくことが非常に重要。ストックオプションの割合に関しても、社内で言うとみんな非常に納得している。リスクをとって大きなサービスを作ったことに対してのインセンティブとしては通常の範囲内」との認識を示した。
また、ジュンホ氏の人柄については「プロダクト(側)の人間で、LINEのことを四六時中考えている。映画などで見るようなアメリカ西海岸系のエンジニアの創業者に似ている」と表現。同氏との思い出を聞かれると、「ライブドアが買収されてから、長い間ともに過ごしてきたので語り尽くせない。上場にあたって海外を含めて1カ月一緒に回ったが、2人の過去とこれからの話をじっくりできた」と振り返った。
ジュンホ氏は同日、米国ニューヨークでの上場ため、日本の上場会見には姿を現さなかったが、「タイミングがあえば今後は出てくるかもしれない」(出澤氏)という。
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