LINEは5月18日、同社のスマートフォン向けゲームで使用される一部アイテムが、関東財務局から資金決済法における“仮想通貨”に認定されたとする一部報道に対しコメントした。
これは、スマートフォン向けゲーム「LINE POP」内のアイテム「宝箱の鍵」と、「LINE PLAY」内のミニゲームで使われるクローバーが、資金決済法における前払式支払手段に相当するというもの。前払式支払手段では、供託金の支払いが法律で定められているが、LINEでは、仮想通貨ととられないよう一部アイテムの仕様を変更することで、供託金の支払いを回避したと報道されていた。4月には関東財務局による立ち入り検査も実施されたが、LINEでは定期的なものと説明していた。
関東財務局によるアイテムの通貨認定についてLINEに確認したところ、「検査の内容、結果などを当社が第三者へ開示することは当局の要請によりできない。なお、当社は従前の通り、当局からの指摘等について、誠実に対応しいく」とコメントしている。
前回の報道時には、LINEの提供するゲーム全タイトルを対象に、事後チェックとして社内調査したところ、担当者から宝箱の鍵が前払式支払手段に相当するのではとの問題提起を受けていたと説明。その後、法務担当者、資金決済法に詳しい外部弁護士に相談した上で、前払式支払手段に相当しないと判断。法令上の判断基準が明確でないことから、線引きを明確化するため、アイテムの仕様を変更したとしていた。
今回のLINEの動きを受け、アイテムの未使用残高が1000万円以上あった場合、半額を法務局などに供託する必要が出てくる。ただし、金融機関との発行保証金保全契約により代替措置を取ることができる。LINEではこの契約を銀行とすでに締結しており、莫大な供託金を積む必要はないと見られる。
ゲーム内のこうした通貨に相当するアイテムは、法律的にも線引きが曖昧なため、ソーシャルゲーム各社は独自の判断で運用している実態がある。今回、仮想通貨として認定されたことにより、ほかのゲーム会社の似たアイテムでも同様の対応を求められる可能性がありそうだ。
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