富士フイルムは7月7日、ミラーレスデジタルカメラ「X」シリーズの新製品として、同シリーズで初めて4K動画撮影に対応した「FUJIIFILM X-T2」を9月より発売すると発表した。
市場想定価格は、デジタルカメラ「FUJIFILM X-T2」のボディが17万円前後(税別)。デジタルカメラ レンズキット「FUJIFILM X-T2/XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS」が21万円前後(税別)。
FUJIIFILM X-T2は、画質と動体撮影性能を両立させたミラーレスデジタルカメラだ。起動時間は0.3秒、シャッタータイムラグ0.045秒などの高速レスポンス性能、最短0.06秒の高精度AF性能などを実現している。
撮像素子には、独自開発のAPS-Cサイズ「X-TransTM CMOS III」センサ(2430万画素、ローパスフィルターレス)を搭載。非周期性の高い独自のカラーフィルタ配列により、光学ローパスフィルタなしでモアレや偽色の発生を抑える。解像感を損なう原因にもなっていたローパスフィルタを不要にすることで、フジノンレンズが持つ本来の解像力が最大限に発揮されるという。また、高速画像処理エンジン「X-Processor Pro」との組み合わせにより、ワンランク上の画素数、サイズを持つセンサに匹敵する写真画質を実現したとしている。
フィルムシミュレーション機能には、「ACROS」モードを追加。「X-Processor Pro」の高い処理能力により、従来のモノクロモードを凌駕する滑らかな階調、引き締まった黒、美しい質感再現でモノクロ写真表現が可能となった。
フィルム写真が持つ独特の粒状感を再現する「グレイン・エフェクト」機能も搭載され、「強」「弱」の2段階設定に対応。全てのフィルムシミュレーションと併用できる。同機能を利用すると、フィルム写真のような効果をプリントで再現できるようになる。
新デバイスの採用と信号処理技術の改善により、さらなるノイズ低減にも成功。高感度性能が向上したことにより、FUJIFILM X-T1では拡張感度であったISO12800を通常感度として使用できるようになった。超高感度でもざらつきが少なく、引き締まった黒と滑らかな階調を再現しており、光量が少ないシーンでも美しい画像を撮影できるという。
起動時間やシャッタータイムラグなどのレスポンス性能のほか、AF性能、電子ビューファインダー(EVF)性能も大幅に強化。
特に、高速演算処理とアルゴリズムの改善により、ライブビュー中のAF サーチ回数を増加させ、高精度な予測AFが可能になった。さらに、AF測距点を、従来モデルの49点から91点(最大325点)まで大幅に拡大。全画面の約40%(画面中央部49点)を像面位相差AF エリアとすることで、高速・高精度な位相差AFをより多くのシーンで活用可能。これまで像面位相差AFが苦手としていた点光源、ローコントラスト、動物の毛並みのような微細なテクスチャーを持つ被写体の捕捉性能が向上している。
また、全画面の約85%をカバーするコントラストAFの性能も向上。読み出し速度を従来モデル比2倍に向上させ、より高速・高精度なAF性能を実現した。なお、マイナス3EVの低照度時でも正確なフォーカシングが可能。
236万ドットの高精細有機EL EVFは、表示タイムラグは0.005秒、ファインダ倍率0.77倍を実現している。
Xシリーズ初となる4K動画への対応では、4K画質と静止画撮影で培われたフィルムシミュレーションを組み合わせることで、あたかも写真が動き出したかのような、多彩な色調の高品質な映像の撮影が可能。
独自開発のセンサと画像処理エンジンで、4K映像(3840×2160)に必要な画素数の約1.8倍、フルHD映像(1920×1080)も約2.4倍の画素数を凝縮しても、モアレやジャギーの少ない高画質を実現。また、4K動画、フルHD動画共に100Mbpsの高ビットレート記録に対応している。
デザインについては、「FUJIFILM X-T1」で採用している、ファインダを中心とした安定感のある「センターファインダースタイル」を踏襲している。
小型・軽量ボディは、すべてマグネシウム合金を採用。63点に施されたシーリングにより防塵・防滴・耐低温マイナス10度のタフネス性能を兼ね備え、ミラーレスデジタルカメラでは難しいとされていた、野生動物やスポーツの撮影など屋外の厳しい環境下での動体撮影も快適に行えるとしている。
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