富士フイルムは10月18日、デジタルカメラ「Xシリーズ」としてレンズ交換式カメラなど計3機種を発表。記者会見の中でコンパクトカメラ事業を縮小していくことを明らかにした。
デジタルカメラ市況は、2013年度上期の市場実績平均を見ると、レンズ一体型コンパクトカメラの出荷実績(同社調べ)が、前年比で約50%に落ち込んでいる。
これについて富士フイルム 取締役 執行役員 光学・電子映像事業部長の田中弘志氏は、「よく言われるようにスマートフォンにとられている」と説明する。
富士フイルムは、スマートフォン向けにカメラモジュールを提供しており、「要求されれば出すが、そこまでいるのかなという(スペックを)要求される。そういうスマートフォンの状況を知っているつもり」と心境を語る。
「そういう中でコンパクトをどうするか。縮小する。ただしコンパクトでも防水などスマートフォンにはできない特殊な分野があって、利益率もわりといい。経営的にはこういう分野は残しておく。お客様がそれを望んでいるわけで、そういうところは細々とやっていく」(田中氏)と説明した。
発表されたうちの一つにはコンパクトカメラ「FUJIFILM XQ1」がある。独自開発の2/3型「X-Trans CMOS II」センサ(1200万画素、ローパスフィルターレス)と明るいF1.8フジノンレンズを備えた高性能コンパクトカメラだ。
「(スマートフォンへの)流れは止められないが、画質は深いものがあり、画像処理に特化していないプロセッサで処理された絵が(専用カメラに)追いつくには、まだ時間かかるのではないか」(富士フイルム 光学・電子映像事業部 営業部統括マネージャーの飯田年久氏)とし、特色のあるコンパクトカメラに集中していく考えを示した。
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