訪日観光(以下、インバウンド)のピークはいつかご存知ですか。中華圏のお正月・春節の頃か、春の桜や秋の紅葉、それとも冬のスキー・温泉目当ての訪日客が多いのでしょうか。
桜や紅葉、雪といった日本の四季を楽しむ時期も訪日客数は多いですが、最も人数が多い月は2014年、2015年ともに7月です。次いで8月も多く、夏休みがインバウンドのピークだということが見て取れます。
2015年は2014年より訪日客数が47.1%増加し、政府が統計を取り始めた1964年以降最大の伸び率を記録しました。今まであまり訪日客を迎えたことがない小売店や飲食店にも、外国人観光客が訪れ、売上アップの一助となったケースも多いのではないでしょうか。
円安や近隣アジア諸国の所得向上、中国の長期休暇取得奨励政策など外的要因が後押しした2015年のインバウンド好景気。しかし、中国の経済成長の鈍化や中国政府の輸入関税見直し、旅行者の嗜好の変化による「爆買い」の一服感など、早くも暗雲が立ちこめる気配もあります。
訪日客を今後さらに増やしていくためには、自社製品やサービスがどの国の人に受け入れられるのか。そしてその国の人は、いつ日本に訪れ、何を買っていくのか、ターゲットに対してどのようにプロモーションしていけばいいのか。現状を把握・分析し、訪日客向けのインバウンド対策を実施する必要があります。
すでに日本列島は梅雨に入りました。夏休みを間近に控え、インバウンド最盛期への対策のため、まずは2015年7月、8月に訪日客数の多いトップ5の国や地域の基礎データと情報収集の時期やその傾向をご紹介します。
訪日客数が多いトップ5カ国は以下の通りです。アジアを中心に、米国も上位に入っています。それではこの5カ国の詳細をそれぞれ見ていきましょう。
まずは中国です。訪日客全体と比べると団体旅行が多く、初回訪問者も多いことがわかります。
それでは、訪日関連の情報がどれほど検索されているのか、中国検索エンジン「百度」の検索指数と2015年の訪日人数との相関から動向を読み取ってみましょう。
キーワード「日本旅行」の検索数は3月頃に一度上がり、その後減少します。また、7月~8月がピークとなり、9月以降は大きく減少します。そして、1月~2月の春節の時期には春頃と同程度の検索数へ増加しています。
団体旅行・初回訪問が基礎データのそれぞれの項目でも回答が多いため、個人で地域を特定した旅行を検索していないのか、地域別の「東京旅行」や「大阪旅行」は「日本旅行」検索よりとても少ない結果となっています。
「夏休み旅行」は5月~6月から検索数が多くなり7月~8月がピークです。どうやら夏休みの1~3カ月前から情報収集を始めているようです。
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