「2015年9月の日本におけるサービス開始以来、『TERRACE HOUSE BOYS & GIRLS IN THE CITY』『アンダーウェア』など日本オリジナルコンテンツを提供してきたが、それらを視聴者は日本だけにとどまらず、香港、フィリピン、欧州、米国へと広がっている。非常にうれしい出来事だが、これは序章にすぎない」――Netflix Japan代表取締役社長であるグレッグ・ピーターズ氏は、6月27日に開催したNETFLIXプレゼンテーションで、日本のオリジナルコンテンツ戦略をこう表現した。
6月3日には、オリジナルドラマ「火花」の配信を開始。芥川賞受賞作として話題を呼んだ原作を全10話のドラマとして初映像化し、世界190カ国に同時配信した。今回のプレゼンテーションは、火花の配信を記念して実施したもの。視聴者の約半数は海外ユーザーで、世界で反響を呼んでいるという。
2007年にインターネットを介した動画配信サービスを米国で開始したNetflixは、ここ数年、積極的にオリジナルコンテンツ制作に投資している。2013年に配信を開始した「ハウス・オブ・カード」は、テレビ放送されていないドラマシリーズとしては初めてエミー賞を受賞。その後も多くの作品がエミー賞やゴールデングローブ賞にノミネートされ、良質なコンテンツ作りで定評がある。
「Netflixは、世界各地で作品を作って、世界に発信する。これはインターネットだからこそなしえた技。インターネットは無限の可能性をもたらす」とNetflix チーフ・コンテンツ・オフィサーのテッド・サランドス氏は、テレビ番組とネット配信番組の違いをこう説明する。「質にもこだわり、優れた脚本家、監督を見つけて自由に創作できる環境を整えている。今後もワクワクするような番組を提供していきたい」(サランドス氏)とし、9月30日には人体実験によって特殊能力と無敵の皮膚を手に入れた主人公ルークが活躍する「Marvel ルーク・ケイジ」、8月12日には1970年代後半のニューヨークを舞台にした「ゲットダウン」などの新作を紹介した。
ピーターズ氏は「Netflixのゴールは、世界中の人々に素晴らしい作品を届けること。日本のコンテンツとしては、世界中に多くのファンを持つアニメにも期待している。Netflixのレコメンド機能を使えば、今まで日本のアニメ作品を見たことがない、またはアニメ作品自体を見たことない人にもコンテンツを見てもらうチャンスを作れる。レコメンド機能を通じて新しい視聴者に新しい作品を発見してもらうことを心がけている」と今後について話した。
Netflixのレコメンド機能は、日本、ドラマといった作品の一部分だけでなく「映像美がアートフィルム作品好きに、コメディが好きな人にお笑い作品として、夢に向かって情熱を燃やす若者の物語として、など多面的に作品を捉え、ユーザーに届けられる機能」(ピーターズ氏)。レコメンドを推進していくことで、日本のドラマを見たことのない人でも、作品を見てファンになることは十分にありえるという。
数多くの新作オリジナルコンテンツが控える中、4K、HDRなどの高画質コンテンツの提供も用意している。Netflix 共同創業者兼CEOのリード・ヘイスティングス氏は「4Kコンテンツのリーダーとして多くの4Kコンテンツを提供できる環境が整っている。新しい規格に対応しやすいのもインターネットコンテンツならでは。今後はHDRにも重きをおいていく」と最新規格への対応についても万全の体制であると話した。
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