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「シャープの名前は残る」--合計4時間33分に渡った株主総会の一部始終

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鴻海との戦略的提携で、シャープ再建を確かなものにする

 シャープは6月23日、第122期定時株主総会を開催した。会場となった大阪市西区のオリックス劇場には、1029人が参加した。2015年の1212人に比べると参加者は減少したが、鴻海精密工業による買収を決議する重要な株主総会ということもあって、開場前から多くの株主が並び、シャープOBの姿も多く見られた。

 議長を務めたシャープ代表取締役社長の高橋興三氏は、開会宣言の後に役員全員を起立させて業績悪化と4期連続での無配について陳謝。「鴻海精密工業などに対する第三者割当増資の承認を得た後に、鴻海との戦略的提携のもと、再生と成長に向けた取り組みを加速させていく」と、新たな体制での成長を誓った。

シャープ代表取締役社長の高橋興三氏は役員全員を起立させて業績悪化と4期連続での無配について陳謝
シャープ代表取締役社長の高橋興三氏は役員全員を起立させて業績悪化と4期連続での無配について陳謝
シャープ代表取締役社長の高橋興三氏
シャープ代表取締役社長の高橋興三氏

 シャープは、2015年度の最終赤字が2559億円となり、債務超過に陥っている。それにあわせて、8月1日付けで、東証一部から東証二部へと指定替えすることが決定している。

 高橋社長は「株主には申し訳なく、改めて深くお詫び申し上げる」としながらも、「今後も設備などへの投資が欠かせない状況が続いており、さらに財務内容が悪化することも考えられた。このような状況を打開し、再生と成長に向けて投資を行い、財務体質を改善するために、鴻海精密工業をはじめとする4社に第三者割当を実施し、資金を調達することにした」と、資本提携の背景を説明した。

 「液晶事業においては相互補完関係があり、シャープの事業競争力強化が見込めるほか、ほかの事業においても、鴻海精密工業が持つ世界トップクラスの製造技術の活用により、生産性やコスト競争力の強化が期待できる。提携によって生まれる相乗効果は大きく、当社の再建のために欠かせない」と位置づけた。

 さらに高橋社長は、鴻海精密工業による払込後、退任することを表明。「払込後は、鴻海の副総裁である戴正呉氏が社長を務め、シャープ出身の野村(勝明氏)が副社長として支える。戴副総裁は、日本語が話せ、鴻海において、多くの日本企業の取引を成功に導いてきた日本通である人物。野村副社長は、堺ディスプレイプロダクトにおいて、過去4年に渡り、会長を務めてきた経験がある。シャープが大きな変革を成し遂げ、早期の黒字化、早期の経営再建を果たせると考えている」と述べた。

 鴻海精密工業との戦略的提携については、払込後も取締役として残る副社長執行役員の野村勝明氏が説明した。「鴻海との戦略的提携によって、シャープの再建を確かなものとするため、全力で準備を進めている。各国における競争法の許認可を得られ次第、速やかに出資が実行されることになっている」と話し、「シャープが再び自らの足でしっかりと立ち、熾烈なグローバル競争に打ち勝つ強さを一刻も早く取り戻すことが大切だ」とした。

 また「鴻海は中国で開催されたビッグデータ関連の展示会において、最大規模のブースを設け、食品の安全などさまざまなクラウドサービスを展示している」と、あまり知られていない鴻海の一面を紹介。「世界最大のEMSという観点だけでは、本当のポテンシャルの凄みはわからない。シャープ、鴻海連合は、互いの強みや特徴を相互補完できる環境にあり、これからのエレクトロニクス業界において高い競争力を発揮できる」と語った。

 常務執行役員経営管理本部長の橋本仁宏氏は、事前に質問を得た事項への回答として、鴻海精密工業と産業革新機構の両案を検討した結果、鴻海精密工業の案に決定した理由を説明。「両方の案を慎重に検討した結果、成長投資資金の確保や財務体質の改善、提携によるシナジー効果といった観点で、鴻海の支援を受けることがベストだと判断した」と語った。

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