スマホ起点でイヤホンを開発--ソフトバンクC&Sはなぜ自社開発にこだわるのか

加納恵 (編集部)2016年06月08日 07時30分
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 ソフトバンクのグループ会社であるソフトバンク コマース&サービス(ソフトバンクC&S)が手掛けるモバイルアクセサリブランド「SoftBank SELECTION」。商品ラインアップは液晶保護フィルムから、バッテリ、車載アクセサリと幅広いが、昨今、力を入れているアイテムの1つにイヤホンが挙げられる。

 ソフトバンクブランドのイヤホンと聞くと、OEMと思う人も多いだろうが、2015年に秋に登場したハイレゾイヤホン「SE-5000HR」と、Bluetooth対応の「WS-7000NC」は、ソフトバンクC&Sが、商品企画から開発、デザインまでを担った正真正銘のオリジナルモデルだ。

 OEMという選択肢もありながら、なぜ専門性の高いイヤホンの商品開発に乗り出したのか。そこには、スマートフォンを知り尽くしたソフトバンクC&Sだからこそ作れる“極意”があった。

 ソフトバンクC&SのSBS事業本部SBビジネス本部SBS商品統括部商品企画部部長の石川純二氏、商品企画部企画2課の小宮義徳氏、プロダクトデザイン室の大平浩之氏に話を聞いた。


左からソフトバンクC&SのSBS事業本部SBビジネス本部SBS商品統括部、商品企画部企画2課の小宮義徳氏、商品企画部部長の石川純二氏、プロダクトデザイン室の大平浩之氏

スマホ起点でヘッドホンを作るという逆転の発想

--イヤホンを自社開発しようと思ったきっかけを教えてください。


ソフトバンクコマース&サービスのSBS事業本部SBビジネス本部SBS商品統括部商品企画部部長の石川純二氏

石川氏 「SoftBank SELECTION」の事業が立ち上がって約9年ですが、イヤホンに限らずモバイルバッテリやケーブルなど、OEMを中心に商品を提供していた時期がありました。しかしスマートフォンの普及に従い、私たちが提供したい機能やユーザーエクスペリエンスをカバーしきれなくなってきました。その部分をきちんとカバーして、スマートフォンに最適なアクセサリを提供したいという思いから、自社開発に踏み切りました。

 特にイヤホンに関しては“ハイレゾ対応”が大きなきっかけでした。ハイレゾは、まだ一部の音楽、オーディオファンのための機器というイメージがありますが、ソフトバンクが提供しているAndroid OSのスマートフォンはハイレゾ対応のものが数多く登場しています。スマートフォンのハイレゾ機能を余すところなく使っていただくためにも、ソフトバンクがきちんとイヤホンまで提供していきたいと考えました。

--企画、開発から製造までとなるとイヤホンの専門知識がかなり必要になると思います。

石川氏 技術開発に関しては、オーディオメーカー出身者を採用し、専門的な知見を生かしながら、開発を重ねていきました。ただ、デザイナーや企画担当者は、スマートフォンケースやACアダプタ、ケーブルといったアクセサリを手掛けているスタッフが兼任しています。その部分に関しては、市場動向、ターゲット、ニーズなどをとにかく勉強してもらいました。

 ただ、私たちがイヤホンを作るのであれば、イヤホンブランドとは異なるラインアップや機能を持つ必要があると思っていましたし、そこがソフトバンクC&Sの強みであります。“音質”というテクニカルな部分は専門のスタッフが担い、機能面や使い勝手はスマートフォンを起点にしたものに仕上げる。従来のオーディオに捕らわれないイヤホンを作ろうと考えたのが原点です。

--具体的にはどういった部分でしょうか。

石川氏 例えばSoftBank SELECTIONのイヤホンはすべてにマイク付リモコンを搭載しています。イヤホンブランドのモデルでは、音質面への配慮から、マイク付リモコンを搭載していないモデルもあるかと思いますが、スマートフォンで使うことを考えるとリモコンは必須です。

 音質面では中音域の再現性を重視し、ボーカルがクリアに聞こえるようにしています。これは通話に使っていただくことも考慮した結果です。通話用マイクの搭載を前提に商品設計していますから、音楽再生はもちろん通話の品質にもこだわりました。

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