ソフトバンクグループは6月1日、子会社であるSB CHINA HOLDINGSが保有する、中国EC大手Alibaba Group Holding(アリババ)の普通株式の一部を売却することを発表した。これにより、約79億ドル(約8700億円)の資金を調達し、財務体質の改善に充てるとしている。業績への影響については、確定後に必要に応じて知らせるという。
今回の取引では(1)アリババ、(2)アリババのパートナーからなるグループ、(3)大手政府系ファンドのそれぞれと、同社が保有するアリババ普通株式の売買契約を締結する。売却総額は約29億米ドル相当で、このうち20億米ドル相当分はアリババに売却される。また、新設されたMandatory Exchangeable Trustによる、総額50億米ドルの他社株強制転換証券を発行する。
ソフトバンクは、2000年にアリババに対して初めて投資して以来、事業提携や合弁会社の設立、共同投資などを通じて緊密な関係を築いてきた。3月末時点で、アリババの発行済株式総数の32.2%(間接所有含む)を保有しており、売却後は28%になるが引き続き持分法適用関連会社となる。また、孫正義氏はアリババの取締役を、アリババのジャック・マー氏はソフトバンクの取締役を継続するという。
同社では、アリババの株式を資金化することで、手元流動性が増加するとともに、連結純有利子負債/調整後EBITDA倍率(Sprintを除く)は、2016年3月末時点の3.8倍から3.3倍程度にまで改善する見込みとしている。
今回の売却について孫正義氏は「初めてジャック・マーに会った瞬間、世界一のイーコマース企業を作り上げようという彼のビジョン、情熱を感じました。この彼の志を実現させるためなら喜んで援助しようと、投資を引き受けたのです。この投資は素晴らしい成果を上げ、さらに我々は、いくつものプロジェクトで協力し、16年にわたって極めて緊密な関係を築いてきました。この間、当社はアリババ株式を一株も売却していません。アリババの前途には壮大な成長機会が広がっており、当社は今後もパートナー関係を継続していくことを期待しています」とコメントした。
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