高級感あふれるボディに、伝統ともいえるスライド式のQWERTYキーボードを搭載した「BlackBerry Priv」。Android OSを採用したことで、各社のフラッグシップスマートフォンと並ぶハイエンド製品として注目が集まっている。全体の操作感やキーボードの感触、またカメラ機能などは果たしてどこまで使えるのか。
BlackBerry Privはこれまでに発売されてきたあらゆるBlackBerry製品とは一線を画する、新世代のBlackBerry端末である。スペックは他社のハイエンド製品と比べても遜色なく、BlackBerryの真のフラッグシップモデルと呼べる製品に仕上がっている。
最大の特徴は従来品が採用していたBlackBerry OSを取りやめ、Android OSを搭載したことだ。最新のBlackBerry OSでは一部のAndroidアプリを動かすこともできたが、アプリの入手やGoogleサービスとの連携などの点で不自由さを残したままだった。BlackBerry PrivはAndroid OSの動く”普通のスマートフォン”となったことで、ユーザー側からすると利便性は大きく高まった。BlackBerry Privと他社品を比較する際、アプリやOSのことで悩む必要は一切なくなったのだ。
もちろんBlackBerry及びBlackBerry OSには固有の優れた機能やサービスが多数あった。だが今のユーザーが求めているのは、自分のスマートフォンで他のユーザーと同じアプリやサービスを自由に使えることである。
BlackBerry OSの採用停止は、BlackBerryがスマートフォンメーカーとして再び市場で息を吹き返すためには必須だったとも言えるだろう。自社の伝統OSを大胆にも捨て去ったことで、BlackBerry Privは多数のAndroidアプリやさまざまなウェブサービスを自在に使える、過去最強のBlackBerry端末になったのである。
BlackBerry Privには「独自OSでとっつきにくい」という過去のBlackBerryのイメージは全く残っていない。スクリーン表示を見ればAndroidスマートフォンで見慣れたアプリアイコンが並んでおり、しかも高速なCPUを搭載したことで操作も素早く快適だ。
日本での価格はSIMフリーで約10万円。この価格は高いように思えるが、各キャリアが販売するSIMロック付きのハイエンドスマートフォンと比較しても同等か十分戦えるレベルであり、性能を比較しても互角かそれ以上。日本のSIMフリー端末市場はミッドレンジやエントリーモデルばかりだが、BlackBerry Privはそれらの中でも群を抜く高スペックなハイエンドモデルなのである。
BlackBerry Privのスペックは、CPUにSnapdragon808を搭載。メモリはRAM 3GバイトにROM 32Gバイトで、ROMはやや少ないものの、microSDカードが2Tバイトまで対応する。ディスプレイは5.4インチ、解像度はWQHD(1440×2560ピクセル)と大型かつ高解像度だ。OSはAndroid 5.1だがAndroid 6.0へのアップデートの提供が始まっている。本体下部の端子はmicroUSBで、QuickCharge 2.0に対応。これらのスペックを見るだけでも、高性能なAndroidスマートフォンとして十分に物欲をそそられる仕様だろう。
またそれだけではなく、本体の仕上げも非常に美しい。ディスプレイは側面に小さなカーブを持たせており、サイドからのスワイプ操作も行いやすい。背面はカーボン調の仕上げで、中央にあるBlackBerryのロゴが誇らしげだ。本体サイズは147mm×77.2mm×9.4mmで、この厚みにスライド式のキーボードを内蔵しているとは驚きだ。
重量はキーボードの分、192gとやや重いものの、しっかりした質感を考えると数値ほどの重さは感じないかもしれない。高級なステーショナリーのようなデザインは、歴代のBlackBerry各モデルに通じるものであり、「大人のスマートフォン」といった印象を受ける。
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