Appleが、ビジネスアプリ強化に向けてまた新たな提携を結んだ。今度の提携先はSAPである。
両社は米国時間5月5日、「iPhone」と「iPad」用の新しいアプリ向けにSAPの「HANA」システム(企業がデータをすばやく分析して予測をするためのシステム)を活用することで合意したと発表した。今回の合意の一環として、新しいiOSソフトウェア開発キットと「トレーニングアカデミー」が提供され、開発者らが独自のビジネス用に「iOS」アプリを容易に構築できるようにする。
両社の提携は、AppleのIBMとの提携に似ているが、企業がより複雑な作業を自社アプリで実行できるようにする。例えば、公共事業企業の従業員は現場で、アプリを使用して設備の故障時期を予測できる。それによって従業員は保守作業を実施し、故障を防ぐことが可能だ。これまでは、オフィスに戻らなければリアルタイムデータを参照することはできなかった。それが、Appleの携帯端末上で直接参照できるようになる。
「(この提携により)ユーザーは作業すると決めた任意の場所と時間にライブデータを得られるようになる」とSAPの最高経営責任者(CEO)を務めるBill McDermott氏は声明で述べた。AppleのCEOを務めるTim Cook氏は、「iOSのイノベーションとセキュリティに、ビジネスソフトウェアに関するSAPの深い専門知識を組み合わせることによって、企業におけるiPhoneとiPadの利用方法に変革をもたらす」と述べた。
今回の提携の前にも、Appleは複数の大きな契約を締結している。消費者に対する端末販売の失速に直面する同社は、ビジネスユーザーを大きな機会として捉えている。Appleは2014年半ばにIBMと提携した。この提携は、Apple製品をビジネスユーザーに対して訴求し、端末管理、セキュリティ、アナリティクスといったIBMのクラウドコンピューティングサービスをAppleのiOSモバイルソフトウェア用に最適化することを目的としている。同社はCiscoとも、AppleのiOSを搭載する端末(つまりiPhoneとiPad)がCiscoのビジネス環境上で俊敏に動作できるようにするための「ファストレーン」を構築することで提携している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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