仕事を始めて1カ月ほどの新社会人にとって、基本的な仕事を覚えるだけで、日々いっぱいいっぱいだろう。勤めている会社それぞれの仕事のやり方は、先輩や上司に教えてもらうしかないが、社会人としての基礎的なスキルをアップさせるための技術や情報は、本から得ることができる。今回紹介する本をゴールデンウィーク中に、サッと一読しておくだけで日々の業務の助けになるだろう。
「自分なりのうまいやり方」がまだ確立していない時期は、人の技を真似して学んでいくに限る。身近な先輩や上司のやり方を真似ることももちろん効果的だが、身近にいなければ、本を読むのが一番の近道だ。
本書では、「メモ」という、一見、人から学ぶようには思わないことについて、徹底的に学べる。メモの書き方やメモの活かし方について、読んですぐに真似できるアイデアから、真似していくうちに自分なりのスタイルに応用できるようになる技まで、幅広いメモ術に触れられるのだ。人の話を聞いて、それをそのまま書きとめるだけのメモの取り方から脱却して、メモをアイデアの具現化に使えるようになるまで、とことんメモを活用してみたくなる。
仕事で必要とされる文章の書き方も、案外身についていないことが多いスキルだ。学生時代に、みっちりと論文の書き方の指導を受けたことがあれば別だが、自分の考えや感想しか書いたことがない場合、「人に伝える」ことを目的としたビジネス文書では、どのように書くことが重要なのかが分からないかもしれない。そのような人は、文書全体の構成力を養う前に、まず、人が読んで分かる文章を書くことから始めるのがいいだろう。
本書は、SNS時代の短い文章に慣れっこで、自分だけのため、もしくは常にお互いの状況を把握している友人同士のためだけに書くことをしてきた若者に向けて書かれている。短い文に、いかにして情報を追加していき、他人が読んでも分かる文章にしていくかが分かりやすく解説されているので、きちんとした文章をまだ書けない人にうってつけだ。
「人間はそもそも、どんなに固い決意をもっていても、やりたくないことは簡単には実行しないようになっているのだ。」という本書の一部に、「そうだ、その通りだ」と強くうなずいてしまう人にぴったりの1冊。やろうとしていることへの意欲があっても、重要性を理解していても、やり遂げた結果が素晴らしいものになるであろうことを想像できても、「やりたくない」「めんどくさい」と思ってしまったことを、やり始めて、最後までやり遂げることの難しさは、誰しも分かっていることだろう。
それを、最後までやりきるために使える、さまざまな手法を紹介しているのが本書だ。要するにやり遂げるために必要なものの助けを借りることになるわけだが、人だったり物だったり、時には感情だったりとさまざまだ。「やる気」というわけの分からないぼんやりした気持ちではなく、自分を前に進めてくれるものを探している人の助けになるはずだ。
社会人になると、仕事に関係のある、あるいは仕事に役立つと思われる本を大量に読まなくてはいけない機会も増える。ここで、本を読むのが遅いからといって諦めてしまわないように、本の読み方を教えてくれるのが本書だ。読書術の本というと、なにかと「速読」を推奨するものが目立つが、決して目を動かすスピードをアップすれば良いのではなく、多くの本や複数の本を同時に読んでいく場合、どのように読めばいいのか、そのコツを知ることが重要だ。
読んでいる本の感想や重要なことを書き出しつつ読むという方法で、読んだ本の内容を忘れにくくするという技など、簡単に真似できる方法を教えてくれるので、一読しておくと、読書のしかたが変わり、今後長く役に立つだろう。
本書はまず新書サイズであるため、薄くて軽いのが良い。つまり、常に机に置いておいてもじゃまにならず、カバンの中などにも入れておきやすい。タイトルに「ルールズ」とあるように、本書には、ビジネス英語のライティングに関する、基本的なルールが書かれている。そのため、紙であれメールであれ、英語でビジネス文書を書く必要がある時には、きちんとルールに沿って書くために、折に触れて参照できることが望ましい。
本書なら、日本人が間違えやすい表現の違いや、数字などの正しい表記などが、コンパクトながらも簡単に調べられる。こうしたルールは、ないがしろにしていると社会人として恥ずかしいことなので、英語で文書を書く必要がある人は必読だ。
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