スマホ活用術から心が軽くなる方法まで--GWに読んでおきたい5冊

 4月に新年度が始まり、忙しい毎日を送っていたのがGWでようやく一段落という人もいるだろう。少しまとまった時間を取れる休みには、骨太でじっくり読みたい本を読むチャンスだ。今回は、そんなGWに読むのにちょうどいい5冊を紹介する。

  • 「GIVE & TAKE『与える人』こそ成功する時代」

◇「GIVE & TAKE『与える人』こそ成功する時代」(三笠書房)

 本書には、多くの有名人のエピソードが、次々に出てくる。どのエピソードもドラマチックで、小説を読んでいるようでもある。著者は、人の思考と行動を、「ギバー(与える人)」「テイカー(受けとる人)」「マッチャー(バランスをとる人)」の3種類に分類し、それぞれが歩む道について、鋭い分析と考察をしている。今や最初から「ギブ&テイク」を求める考えだけでは成功をつかむことは難しく、「ギバー」になることが求められているという。

 この「ギバー」は、与えるという言葉から単純にイメージしてしまう「無償で与え続けて損をする人」ということでは、決してない。そして、「テイカー」とて、人から奪ったりもらったりする「ずるい人」というわけでもない。現代の「ギバー」「テイカー」そして、その間でバランスを取ろうとする「マッチャー」とはどのような人のことなのかを知ることで、今後の自分の思考や行動も変わってくるかもしれない。

  • 「やってのける 意志力を使わずに自分を動かす」

◇「やってのける 意志力を使わずに自分を動かす」(大和書房)

 目標を達成できないのは、自分自身のことをきちんと分かっておらず、決して目標を達成できない方法で、目標に取り組もうとしているから。自分の考え方と行動をよく知り、それに合わせた努力をすれば、目標は必ず達成できることを教えてくれるのが本書だ。強い意志の力など必要ないのだと、著者は主張する。自分のタイプを把握して、シンプルな行動計画を作り、日ごとに少しずつ自制心を強くし、計画に基づいて進めていく。

 誘惑に負けたり、先延ばしにしようとする自分がいれば、適宜、自身に合った対策を実行して、計画を完全に放棄してしまわないようにする。それぞれの対処法には、多くの事例と実験による論理的な裏づけがあり、「なぜそうするのか」という理由を納得した上で先に進むことができる。新年度に多くの目標を掲げたものの、頓挫してしまっているような人にお勧めだ。

  • 「WILLPOWER 意志力の科学」

◇「WILLPOWER 意志力の科学」(インターシフト)

 「意志力」という話が出たが、意志力そのものにスポットを当てたのが本書だ。意志の力といっても、それが実際は何なのか、把握している人は少ない。著者のロイ・バウマイスター氏は、さまざまな実験結果に基づいて、意志力の正体を明かしている。説得力のある氏の実験は、多くの類書や記事で引用されるほど有名になっており、意志の力に関する本を読むなら、まず本書と言ってもいいほどだ。

 バウマイスター氏は、意志力の源に迫るだけでなく、意志力の鍛え方や、いかに意志力を使わなくて済むようにするかなど、実用的なアドバイスも披露してくれている。つい、先延ばしにしてしまうのはなぜなのか、ダイエットなどの目標を立ててもすぐ挫折してしまうのはなぜなのか、そうした疑問がある人は絶対に読むべき1冊。

  • 「スマホ時代のタスク管理『超』入門」

◇「スマホ時代のタスク管理『超』入門」(東洋経済新報社)

 少し漠然とした疑問の答えを見つけるよりも、今目の前に積み上がっている多くの仕事(タスク)をどうにかする手段を手に入れたいのなら、本書がいいだろう。スマートフォンとクラウドを利用して、タスク管理をすることで、いつでもどこでも正確に現状を把握できるようになり、タスクを実行しやすくなるという話だが、タイトルに「『超』入門」とあるように、タスク管理の初心者でも分かるように、1つ1つの事柄が、丁寧に解説されている。

 たとえば、プロジェクト名の付け方と、どのツールでも同じプロジェクト名を使うための方法や、チェックリストとタスクリストの違い、チェックリストを使うことの効用、スマホで使えるツールにはどのようなものがあるのかなど技術的なことから、見通しを立てることや、不満を解消することといった心理的な要素まで網羅しているので実行に移しやすい。

  • 「スタンフォード教授の心が軽くなる先延ばし思考」

◇「スタンフォード教授の心が軽くなる先延ばし思考」( 東洋経済新報社)

 「意志力とかタスク管理とか、GWに読むには重すぎる、もう少し気楽にしていたい」人にお勧めなのが、本書だ。本書は、他の本のような実用書ではなく、ジョン・ペリー氏の気軽なエッセイ集だ。全体的に「先延ばししてもいいじゃない、何とかなるよ」という、なんともたのもしい気持ちになれるエピソードがいっぱいだ。先延ばしがもたらすプラスの可能性についてまで書かれているほどだ。

 ただ最後には、それでも先延ばしはしたくない、なんとかしたい、という人に向けて、ペリー氏のお勧め本が何冊か紹介されているので、ふと我に返ることになるかもしれない。

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