500 Startupsが日本初のスタートアップ成長プログラムを神戸市と今夏開始

 シリコンバレーを拠点とするトップレベルのシード投資ファンドとして知られる500 Startupsと神戸市は、双方のパートナー提携による本格的なアクセラレーションプログラム「500 KOBE PRE-ACCELERATOR」を今夏より開始することを発表した。

  • 記者会見は久元喜造神戸市長(左)も同席。プログラムを担当する500 Startupsのデイブ・マクルーア(Dave McClure)氏(右)は「世界最高のトレーニングと教育を提供し、神戸から日本を変える成功例を生み出したい」と意気込みを語る。

 2015年9月に「500 Startups Japan」を発足するなど、ベンチャーキャピタルとしての活動で知られる500 Startupsだが、今回は投資ではなくビジネスをブーストさせるために必要な「顧客の獲得とスタートアップとしての成長」の2つが大きな目標だとしている。記者会見に参加した500 Startupsのデイブ・マクルーア(Dave McClure)氏は「今回は直接投資しないが、世界最高のトレーニングや教育を通じて国内外から投資が集まる卒業生を生み出すことを目指す」としている。

 神戸情報大学を会場に8月1日から9月9日(8月11日から24日は休止)にかけて実施されるプログラムは、世界50カ国で1500社以上を支援してきた500 Startupsのグローバルチームによるマンツーマン指導など、さまざまな専門分野からメンターを招いた実践的な講義を中心に構成される。滞在費等は自己負担だが参加費は無料で、シリコンバレーと同レベルのプログラムを日本語通訳付きで受けられる。500 Startupsと神戸市が運営し、三井住友銀行、アシックス、SRCグループらがスポンサー企業として参加している。

 参加対象はシードならびに準シードステージにあるスタートアップで、国内外問わず応募できるが、すでにビジネスアイデアや製品のあるほうが望ましいとしている。応募は6月1日まで受付けており、500 Startupsと神戸市が審査したうえで15から20組を受け入れる。

 500 Startupsは以前にも、マレーシアや台湾、韓国などの行政と連携したアクセラレーションプログラムを実施しているが、日本での実施は神戸市が初めてとなる。神戸市をパートナーに選んだ理由としては、神戸市が国内外の優秀なスタートアップの支援活動に力を入れている点や、「過去にイスラエルやシリコンバレー以外の都市で同様のプログラムを行ったが、大都市よりもやる気にあふれており、神戸市からも同様の熱意を感じた」ことをあげている。また、神戸市での実施という点では、流通やロジスティクス、バイオメディカル、フィンテックからの参加を期待しているが、分野は限定せず幅広く受け入れたいとしている。

 記者会見に同席した久元喜造神戸市長は「今回の取り組みは神戸市から日本発のビジネスエコシステムを共に生み出すための第一歩であり、将来の展開については今回の経験をふまえて協議し、500 Startupsとの連携もできるだけ継続できる形で考えたい」とコメントしており、マクルーア氏も「実施したプログラムは将来に向けて発展させ、投資家や企業パートナーにも参加してもらなど、未来のエコシステムにつなげていきたい」と語る。

 さらにマクルーア氏は、今の日本のスタートアップ市場はし「成功するポテンシャルは十分にあるが、残念ながら自信とリスクを負うことが欠けており、その結果、投資不足状態に陥っている」と分析。「神戸からベンチャービジネスの成功例を生み出すことで、日本が既存ビジネスの殻を破って成長するよう支援したい」とプログラムにかける意気込みを語った。

 約1カ月のプログラムを終える9月9日には、参加スタートアップによるプレゼンテーションデイが実施される予定だ。

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