UPDATE ソーシャルネットワーク大手Facebookの最高経営責任者(CEO)を務めるMark Zuckerberg氏は米国時間4月12日、「Facebook Messenger」を介してユーザーが企業とコミュニケーションを取るための新しい方法を同社が構築中だとするうわさを事実であると、サンフランシスコで開催の同社の開発者会議「F8」で認めた。
「企業に電話をかけたいと思う人には会ったことがない」とZuckerberg氏は冗談めかして言った。
ではユーザーは、誰となら話したいのだろうか。おそらくボットだ。しかしボットならどれでもいいというわけではない。Zuckerberg氏のボットは高度な人工知能(AI)を搭載し、見識に関しては「人間よりも優れた」ものになる。
このことを実現するため、Facebookは「Messenger Platform」のベータプログラムを正式に発表した。企業は同プログラムを利用することにより、Messenger Platformに組み込まれたAIを介して自動顧客サポートやコンテンツなどを提供することができる。
チャットボットのプロバイダーや開発者が、顧客の問い合わせに対する自動応答システムを構築する企業を支援し、企業が独自に複雑な技術に取り組まなくても済むようにするというのがその考え方である。
Zuckerberg氏は、AIと自然言語処理を組み合わせることによって、ユーザーは友達と話すのと同じ感覚で、Messengerエージェントに話すことができるようになると説明した。
Facebookのメッセージングサービス担当バイスプレジデントを務めるDavid Marcus氏は、その概念をF8における講演でさらに詳しく説明した。同氏は、ボットには会話とユーザーインターフェースが組み合わされ、自己学習もすると述べた。またMarcus氏は、ボットをさらにきめ細かいレベルで管理するための多数のユーザー制御が提供されるとも述べた。
「ユーザーはMessenger上で企業とコミュニケーションすることを好む」と同氏は述べた。「ブランドは、日常生活のますます重要な部分を占めるようになる。新しく素晴らしいプラットフォームを構築する手段がある。今日が新しい時代の幕開けかもしれない」(Marcus氏)
提供開始時点で、1-800-flowers、Fandango、CNNなど多数の企業が既に、Messenger Platformのチャットボットに関する提携をFacebookと結んでいる。
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