これまでのところ、Huaweiやサムスン、Appleなどのスマートウォッチメーカーは材質や色、仕上げに表面的な変更を施すことに注力している。Jijiashvili氏は、「これはわれわれの予想とも一致する。具体的には、ウェアラブルは2016年、メインストリームの消費者が実際に装着したいと思うようなアイテムになっていく、という予想だ」と述べた。
アクセサリが流れを変えるのだろうか。少なくとも、アクセサリはちょっとした何かではある。
Appleの最高経営責任者(CEO)のTim Cook氏は21日のイベントで、「人々はバンドを替えて、スマートウォッチの見た目を全く新しいものにすることが気に入っているようだ。Apple Watch装着者の約3分の1は定期的にバンドを替えている」と述べた。
これまでのところ、Apple Watchが相対的に成功を収めている(Appleは2015年8月にFitbitに次ぐ世界最大のウェアラブル企業の1社になった)のは、Appleによって市場が定義されるのを皆がまだ期待しているということを表わしている。ロンドンで先日開催されたWearable Technology Showでは、ほとんどすべてのパネルディスカッションにおいて、誰かしら(ライバルのスマートウォッチメーカーも含む)がAppleについてほぼ完全に肯定的な意見をほのめかしていた。
スマートウォッチ企業VectorのCEOで、Timexの元CEOでもあるJoe Santana氏はWearable Technology Showで、Appleの成功はこれから起こることの「前兆」である、と述べている。普及が遅れていることはSantana氏も認めたが、だからといって、そうした状況が今後も続くとは限らない。同氏は、「多くの大企業が大規模な投資をしているので、あきらめることはしないだろう」と語った。
既存の腕時計メーカーについては、Tag HeuerやFossil、Guessなど、いくつかの企業がこのトレンドに乗ったが、大多数は「コネクテッドデバイスに対して、現実逃避するようなアプローチ」を取っている、とJijiashvili氏は言う。同氏は、「実績のある腕時計メーカーは、スマートウォッチメーカーの製品による脅威から身を守る必要性がますます高まっている。スマートウォッチメーカーの製品が従来の腕時計の売れ行きに悪影響を及ぼし始めている」と付け加えた。
こうした状況はやがて変わるとSantana氏は考えている。「ハイエンドの腕時計はすべてコネクテッドウォッチになるだろう。誰も無関係ではいられなくなる」(同氏)
センサ企業InvenSenseのウェアラブル担当シニアディレクターで、Santana氏と同様、先日のWearable Technology Showで講演を行ったSam Massih氏によると、こうしたスマートウォッチで実行でき、人々の心を本当につかめるものとは何なのかを把握することが鍵になるという。メーカーは、1つで全ユーザーのニーズを満たす製品など存在しないことを理解する必要があるだろう。
大型スクリーンを搭載して通知マシンになるものもあれば、より魅力的なデザインで高い性能も兼ね備えたフィットネストラッカーになるものもあるだろう。同氏は、「スイス製腕時計の全製品ラインアップが歩数計を追加して、Appleやサムスンと対峙する未来が私には見える。誰もがお気に入りの製品を見つけられるようになるだろう」と語る。
どのメーカーもまだ成し遂げていないもう1つの手が、スマートウォッチ装着者に彼らのパターンに関するフィードバックを提示し、彼らが直接行動を起こせるようにするアプリケーションを提供することだ、とMassih氏は述べる。「実際にそのサービスを提供して、スマートウォッチがユーザーの生活の一部となるようにしていきたい」(同氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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