Adobe Systemsは米国時間3月14日、新しいユーザーエクスペリエンス(UX)デザインツール「Project Comet」のPublic Previewを発表した。Project Cometの正式名称は「Adobe Experience Design CC」(短縮形は「Adobe XD」)に決まった。パブリックプレビュー版は「Adobe ID」を持っている人なら誰でも無料で試すことができる。当初は英語の「OS X」版のみが提供される。Adobe XDの完成版は2016年中に提供される予定で、それまでの間、月1回のアップデートサイクルでほかのプラットフォームや言語のサポートが追加されていく見通しだ。Adobeによると、「Windows 10」向けAdobe XDのプレビュー版は「2016年秋」にリリース予定だという。
先週行われたブリーフィングで、Adobeのプロダクトマネジメント担当ディレクターを務めるAndrew Shorten氏が指摘したところによると、デザイナーは現在、ビジュアルと画像の加工には「Photoshop」、ベクターアートワークには「Illustrator」、コードを記述しないウェブサイト制作には「Muse」、コードを記述しながらのウェブサイト制作には「Dreamweaver」といった具合に、さまざまなツールを併用して、モバイル体験やウェブ体験を作り出しているという。これらの機能の多くを便利なエンドツーエンドのワークフローに統合する方法が求められており、それを実現するのがProject Comet/Adobe XDである、とShorten氏は述べた。
「顧客はUXの開発に関わるプロセス全体について、ますます深く考えるようになっている。多くの場合、これはペルソナの定義で始まり、ワイヤフレームの作成(この段階で、アプリやウェブサイトの異なる画面間のフローについて考え始める)に移行し、インタラクティブなデザインとともにビジュアルデザインを組み込む。この最後の段階では、体験の一部としてのアニメーションや動き、モーションについて考える」(Shorten氏)
UXのプロフェッショナルは「自分の開発している体験を多種多様な端末向けに最適化する」ため、長い時間をかけてデザインとプロトタイプのイテレーションを行い、利害関係者からのフィードバックをデザインプロセスに組み込む、とShorten氏は述べた。デザイナーが1つの統合されたワークフロー内でデザインやプロトタイプに変更を施し、その成果を再度共有できる「摩擦のない」ツールが必要とされているのは、そのためだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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