5Gネットワークへの期待--盛り上げ狙う業界各社と懸念事項

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2016年03月09日 07時30分

 次世代のワイヤレスネットワークによって、スマートフォンは今よりはるかにパワフルになり、自動車の運転からエンターテインメントまで、何もかもが大きく変わるかもしれない。だが、最近の業界関係者の話を聞いていると、そんな5G革命がすぐそこまで来ているように思える。

 現在のテクノロジ業界では、私たちの生活を根本から変えるような新しい製品やサービスが、驚くべき成功率で開発されている。だが、現行のネットワークサービスとは、まだしばらくは仲良く付き合うほうがいいだろう。5G革命はまだ何年も先の話だからだ。

 5Gの売り込みは、バルセロナで開催の展示会Mobile World Congressで最高潮に達した。5G対応ドローンが登場するとの話が聞かれたほか、5Gで操作するおもちゃのカーレースが開かれ、ビーム形成とかミリメートル波(何のことかは聞かないでほしい)など、5Gに関する詳細な技術が実演された。また、仮想現実ヘッドセットを使い、5G経由でリンクした他のユーザーと一緒に仮想アートを作るデモもあった。米国の2大キャリアであるAT&TとVerizonは、5Gの話題で互いを出し抜こうとしていた。

 その狙いは、5Gの将来性に対する期待を盛り上げることにある。たとえば、回線速度が100倍になり、長編映画も数秒でダウンロードできるようになるとか、ネットワークの応答が速くなって拡張現実グラフィックを自動車のフロントガラスに映し出せるようになるといった具合だ。

NokiaはMobile World Congress 2016で、5Gネットワーク技術の応答の速さを示すために、おもちゃのクルマ複数台を走らせ、衝突せずに交差点を通り抜けるところを実演した。
NokiaはMobile World Congress 2016で、5Gネットワーク技術の応答の速さを示すために、おもちゃのクルマ複数台を走らせ、衝突せずに交差点を通り抜けるところを実演した。
提供:Stephen T. Shankland/CNET

せいては事をし損じる

 テクノロジ企業が次世代技術に対する期待を盛り上げようとすることには、マイナス面がある。1つは、その技術を利用できるまでに何年もかかると知ったとき、顧客が失望しかねないということだ。正式な5G標準の策定完了は2018年の予定で、実際に最初のネットワークができるのは2020年と見られている。全く新しいサービスが始まるのは5Gが広く普及してからであり、それはさらに何年も先のことになるだろう。

 歴史を見ればわかることだ。ForresterのアナリストThomas Husson氏は、今や旧式となった第3世代ネットワーク技術について、次のように語っている。「ビデオ会議は、2003年において3Gのキラーアプリだった。今ではいたるところでビデオが使われるようになってきたが、ここまで来るのに12年かかった」

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