なるほど、モバイル通信業界では誰もが5Gの話をしているらしい。では、筆者のような、そうでない人間が5Gに注目すべき理由は何か?
5Gは、現在の無線技術に比べて100倍高速になることを目指しており、「Google Fiber」が固定回線で家庭に提供しているサービスよりも高速だ。5Gの驚くべき速度と即応性は新たな可能性を切り開く。その技術は、2月にスペインのバルセロナで開催された見本市「Mobile World Congress」に参加した人たちの間で大きな話題となっていた。
Qualcommの半導体事業を率いるCristiano Amon氏は「5Gは、レベルを1つ引き上げる」と述べる。「『あらゆる種類のデバイスのユビキタスな接続』が実現するだろう」(Amon氏)
5Gに関する騒ぎに心を奪われてはいけない。モバイルへの導入は、最も早くて2018年以降になりそうだ。より広範囲な提供はそれよりも数年後になる。
しかし、だからといって、次に来るものを夢見ていけないことはない。5Gで可能になることをいくつか挙げてみる。
仮想ゲームを世界中の友達とプレイしたり、夢のようなビーチハウスを訪れたりすることを地階アパートの1室にいながら体験したいと思ったことはないだろうか。5Gなら、このようなコンテンツを仮想現実(VR)ヘッドセットに無線でストリームすることが可能だ。
Facebookの最高経営責任者(CEO)Mark Zuckerberg氏は、VRが「5Gネットワークのキラーアプリ」の1つになってくれることを願っているとMWCで発言している。データが非常に高速で転送されるため、仮想体験がモバイルVRヘッドセットにロードされるまで長時間待つ必要がなくなる。
遅延時間が少ないため、地球の裏側にいながら一緒にゲームをしている友達に遅れずについていくことが可能になる。
「私の息子は、ライトセーバーを使った決闘をしたいと言っている」とサムスンで次世代ネットワーク事業を率いるWoojune Kim氏は述べる。
5Gネットワークの反応速度は速いため、自動運転車の連携にも利用できるようになる。交差点で中央指令所と通信するにしても、車同士でやりとりするにしても、機能する。
ネットワーク機器メーカーNokiaでイノベーションマーケティングを率いるVolker Held氏は、「信号のない道路を想像して欲しい。車が交差点を進んでも他の車とぶつかることはない」と述べる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」