UPDATE 謎に包まれたGoogleの研究部門「X」が、極めて丈夫で重力に逆らう素材を近いうちに発表する可能性が出てきた。同部門の責任者は、これが世界を変えるかもしれないと考えているという。
Googleは、骨の構造にヒントを得たBoeingのマイクロラティスを超える素材を生み出そうとしているのかもしれない。現在「世界で最も軽い素材」とされているマイクロラティスは、高い強度を持ちながら、タンポポの綿毛の上に乗せても種子と冠毛をつなぐ繊細な柄を傷めないほど軽い。
Boeingが生み出したこの金属製素材は、確かに軽いが落とせば地上へ落下する。しかし、Googleがひそかに開発を進めている画期的な新素材は違うようだ。Google Xの責任者であるAstro Teller氏によれば、この素材は「宙に浮きたがる」のだという。
「これはわれわれが上空、建築物、輸送などと関わる方法を変えるかもしれない」と、Teller氏はBackchannelへの投稿で述べた。同氏はこの投稿で、中止になったプロジェクトや継続中のプロジェクトについて書いている。継続中のものとして、気球で中継するインターネット接続プロジェクト「Project Loon」などがある。
今回の謎の素材は、空気より軽い貨物飛行船を作るという中止されたプロジェクトから生まれた。Googleは、このプロジェクトによって航空貨物のコストが船便のコストに近いレベルまで下がる可能性があり、船舶より少ないカーボンフットプリントで、海路より速く物資を運べるようになると考えていた。
Teller氏によると、このプロジェクトが中止されたのは、研究開発や試作に必要な資材に2億ドルほどかかり、経済的負担が大きすぎると判断されたためだったという。
「Xは、ミスをして学び、設計を見直すという厳しいフィードバックループにのっとっているため、2億ドルという金額は、自分たちが正しい軌道に乗っているかの判断に必要な最初のデータを獲得する費用としてはあまりに高額すぎた」とTeller氏は述べている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス