Microsoftが、「Surface」「Kinect」、そして「Microsoft HoloLens」を組み合わせて作ることのできるモジュール式コンピュータ製品の設計に関する特許を取得した。
Surfaceの設計者が発明者に名を連ねているこの特許は、簡単に組み立てられるモジュール式ハードウェアというコンセプトにMicrosoftが今も熱心に取り組んでいることを示すものだ。
Microsoftは、Nokiaを買収する以前、また、Googleがモジュール式携帯電話の開発を目指す「Project Ara」を発表する以前にも、複数のコンポーネントで構成されるモジュール設計のスライド式携帯電話に関する特許を出願していた。各コンポーネントは独立して機能させることも、携帯電話の一部として動作させることも可能になっている。
2月に入って認められた今回の新しい特許の出願書類には、GoogleがProject Araによって解決できると考えている問題と同様の問題に対処するモジュール式ハードウェアの理論的根拠が記されている。
モジュール式ハードウェアでは、カスタマイズ性が高まるだけでなく、廃棄物を減らすことも可能になる。携帯電話のカメラやプロセッサが古くなっても、本体を丸ごと買い換えるのではなく、技術の向上に合わせてコンポーネントだけをアップグレードできるからだ。
この特許を興味深いものにしている要素の1つは、VentureBeatが報じているように、Surfaceデバイスやその付属製品を手がける部門でシニアデザイナーを務めるTim Escolin氏が発明者の1人として名を連ねていることだ。
そのため、この特許出願書類の中で、Surfaceに似たタブレットがモジュールシステムのディスプレイコンポーネントとなっていることも驚きではない。このコンポーネントを、積み重ね式のはめ込み可能なベースモジュールと接続する仕組みになっているため、コアプロセッサやグラフィックスプロセッサ、それにメモリといったコンポーネントだけを交換することができる。
Microsoftの構想では、モジュールの接続には磁石か機械的なラッチ機構が使用される。これには複数の「突起と穴」が設けられるため、筐体の1つに新しいコンポーネントを「はめ込む」ことができるという。
また、この特許を見ると、KinectやHoloLensなど、Microsoftの他のハードウェア製品も利用できる可能性がある。
Microsoftの説明では、モジュールコンポーネントを「スピーカー、プロジェクタ、ホログラムプロジェクタなどの出力デバイスとして構成できる」という。また、製品を構成するモジュールには着脱できるバッテリも含まれており、接続されているディスプレイなどのデバイスへの電源供給に利用できる。
ただし、特許が存在するからと言って、Microsoftがこの技術を実用化するとは限らない。GoogleがProject Araでさまざまな困難に直面している事実は、モジュールシステムという夢が簡単には実現できないものであることを示している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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