Appleがインドにおける直営店の開設に向け同国政府の承認を得る見通しだと、Bloombergが米国時間2月7日、「この件に詳しい情報筋の話」として報じた。
インドでは通常、国内で単独ブランドを販売する外国企業に、製品に使われる部品の一定割合を現地メーカーから調達することを義務付けており、この点がAppleに障壁となると考えられる。Appleは大半の部品を中国ベンダーから調達している。この情報筋がBloombergに語ったところによると、こうした要件は、Appleが「最先端技術のプロバイダー」として見なされることで、適用が免除される可能性があるという。
Appleは既に、インド国内で「iPhone」「iPad」、その他の製品をオンラインおよび再販業者を通じて販売している。ただし、Appleの市場シェアはわずか2%にとどまっており、直営店がインドの顧客にAppleの端末を実際に手に取ったり、カスタマーサービス担当者と直接話をしたりする機会を提供することで、販売台数を増やせる可能性がある。
インドで直営店を開設することで、Appleは新たな機会を得るとともに課題も抱えることになる。Appleは、これまで実績を上げてきた市場においてiPhoneの販売台数が伸び悩んでいることを受け、iPhoneの販売を他の地域にも積極的に拡大する必要がある。インドは世界で最も急成長しているスマートフォン市場の1つだ。ただし、同国市場では低価格端末が好まれる傾向が強く、サムスン製端末はそうした製品の代表格だ。AppleのiPhoneは高額製品に入る。
したがって、Appleは、新しい直営店でiPhoneを購入してもらうために、いかにしてインドの顧客を引き付ければ良いのだろうか。アナリストの1人がBloombergに語ったところによると、その答えは大幅な値下げにあるという。Appleは今後も「iPhone 5s」など旧モデルを対象に大幅な値下げを続けていく可能性が高いと、現地の調査会社Counterpoint Technology Market ResearchのシニアアナリストTarun Pathak氏はこの記事で指摘した。
新たなユーザーを引き付けることも、現在わずか2%程度という、インド市場に占めるAppleのシェアを拡大する上で鍵となる。
Pathak氏は、「インドでは成長の大半がAppleのエコシステムに参加する新規ユーザーによってもたらされるだろう。この点、主に既存ユーザーのアップグレードによって成長がもたらされている欧米とは事情が異なる」と述べた。「直営店では主にiPhoneに重点を置くことが予想される」(Pathak氏)
1月下旬、Appleの最高経営責任者(CEO)Tim Cook氏は、同社第1四半期決算を発表した際のアナリストらとの電話会議で、インドが急速に発展を遂げており、中国、米国に続く世界第3位のスマートフォン市場であることを強調した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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