サムスンによる米最高裁判所への上訴に、Appleは動じる様子をまったく見せていない。
Appleは米国時間2月4日、両社の間で争われている知的財産侵害訴訟の見直しをサムスンが最高裁に求めたことに対し、回答書を提出した。また、当然のことだが、Appleはこの訴訟が長引くことを望んでいない。
Appleは、この訴訟が「法的に例外的な事例ではない」と主張し、サムスンとの法廷闘争を「長引かせる」ことがないよう最高裁に求めた。さらに、この件には米国の最高裁による解決を必要とするほどの重要な案件ではないとも述べている。
Appleの提出書類には次のように書かれている。「サムスンは法廷で有利に戦ったこともあった。実際、サムスンに有利な局面は多かった。だが、適切に説示を受けた陪審員が、サムスンはAppleの意匠をコピーしたので、法により明白に認められている損害賠償を支払うべきだという評決を下したのは当然のことだ」
サムスンは2015年12月14日、判決の見直しを求めて最高裁に上訴した。2012年に結審したこの訴訟は、世界で最も人気があるスマートフォンの一部の意匠を争点としたもので、最終的にサムスンは、5億4800万ドルの損害賠償をAppleに支払うよう命じられた。
最高裁がこの訴訟を見直せば、意匠の定義がより明確になり、パテントトロールが知的財産権を金儲けに利用するのが制限される可能性がある。この訴訟は、多くの法律専門家や非営利団体、ハイテク企業から注目されてきた。彼らはサムスンを支持し、最高裁に訴訟の見直しを求めるアミカス(法廷助言者)意見書を合わせて6件提出した。
最高裁が上訴を受理した場合、その最終判断がハイテク業界や消費者の購入できるガジェット類に波及的な影響を及ぼす可能性がある。サムスンのほか、シリコンバレーの一部の大手企業は、下級裁判所による原判決について、法的手段による抗議に対する恐れが高まるため、このままでは新製品の発売に「破壊的な影響」をもたらす可能性があると主張している。一方、Appleは以前から、自社の知的財産権と大ヒット製品である「iPhone」シリーズの価値を守るために必要な手段を講じているのだと述べている。
サムスンは4日に声明で、「Appleだけが、この重要な訴訟の最高裁による見直しに反対している」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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