AppleがEmotientを買収したと報じられている。Emotientは、顔の表情から感情を読み取ることのできるアルゴリズムや人工知能(AI)に取り組む企業である。
The Wall Street Journal(WSJ)が報じたAppleの今回の動きは一見したところ、人工知能のノウハウを構築しようとする同社の様子をうかがわせるものだ。Google、Microsoft、IBM、Facebookなど、複数の技術大手企業が人工知能に資金を投入している。しかし、Emotientの技術はAppleのその他の部分でも利用される可能性がある。
Intelも出資企業として名を連ねるEmotientは、これまでに興味深いデモを示している。同社は2014年、Intelのブースにおいて非常に興味深い展示の1つだった。Emotientは顔の表情を判断して買い物客に関するデータを収集した。例えば、ディスプレイが買い物客の気分を害した場合、小売業者は変更しなければならないことに気付くことができる。Emotientは、買い物客のいらだちも把握できた。
Emotientのアルゴリズムと分析によって、同社は、医者が患者の痛みを把握するための医療アプリを開発できる可能性もある。Emotientに関する問題は、その技術がやや不気味な領域に踏み込んでいるという点である。顧客感情の分析に基づいて事業を構築することは、多くの企業にとって広報的に問題となる可能性がある。実際、小売業者はこれまで、買い物客の感情を把握する技術を導入することにためらいを感じていた可能性がある。
Appleにとって、Emotientの技術は複数の分野に適用できる可能性がある。例えば、以下のような分野が考えられる。
AppleはEmotientを使って慎重に物事を進めると思われる。しかし、さまざまなレベルから見て、良い買収だといえる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」