数年前、筆者は「iPad mini」にほれ込んでいた。7.9インチ高解像度「Retina」ディスプレイを搭載しており、「Kindle」よりそれほど大きくはない。日常的な業務を処理することができたほか、どこへ行くにも持ち運べるほど小さいため、携帯用ガジェットとして最適だった。これより大きいiPadがどうして必要だったのか、不思議に思ったほどだ。
今ではもちろん、そもそもiPadが必要かどうかを考えるようになった。スマートフォンが大型化し、ノートブックがさらに多用途化しているからだ。しかし、「iPad mini 4」は再び筆者の関心を引いた。いつも使うようになったし、好きになった。だが、お気に入りのiPadなのかどうかは、もうわからない。
2014年にリリースされた「iPad mini 3」は、実際のところアップデートではなかった。まさに文字どおり、2013年の「iPad mini 2」に「Touch ID」ホームボタンを追加して、指紋認証に対応させただけのモデルだったからだ。iPad mini 4は、2014年に出てほしかったiPadだ。プロセッサは「A8」にアップグレードされ、カメラ機能も向上し、Retinaディスプレイはさらに色彩豊かに、鮮やかになった。それに加えて少し薄く、軽くなっている。また、画面分割アプリにも対応する。これは「iOS 9」で最もクールな機能であり、今のところこれに対応しているiPadは、「iPad Air 2」と新モデル「iPad Pro」、そしてこのiPad mini 4だけだ。
iPad mini 4は多くの点で、iPad Air 2の縮小版と言える。だが、価格はiPad Air 2の域に迫っており、Wi-Fiモデルは16Gバイトが399ドル、64Gバイトのバージョンが499ドル、128Gバイトが599ドルだ。
LTE対応モデルとなると(Wi-Fiを利用できないときにセルラーデータを使用するため)、それぞれの価格に130ドルが上乗せされ、さらにそれに応じて携帯電話の料金プランも調整する必要がある。筆者がレビューで使った端末は、VerizonのLTEサービスに対応した64Gバイトモデルで、629ドルだった。
各容量とも、iPad Air 2より100ドル安いということも指摘しておく価値があるだろう。より大型のiPad Air 2は、Appleが2014年にリリースした9.7インチモデルで、現在も製品ラインアップに残っている。だが、そうなると疑問が出てくる。タブレットにそこまでお金を出すのなら、大型で高速なiPad Air 2を買った方がいいのではないか(同モデルがホリデーシーズンに一部で大幅に値下げされたことを考えると、この疑問はさらにふくらんでくる)。
その逆もしかりだ。Appleの2013年モデルiPad mini 2は現在も販売されており、定価が下がって16Gバイトモデルが269ドル、32Gバイトモデルが319ドルとなっている。セールではわずか199ドルというところまである。もちろん、iPad mini 4ほど高速ではなく、比較的新しいモデルに搭載のTouch IDによる指紋読み取り機能もない。
それでも、ウェブ閲覧や電子メール、Facebook、カジュアルゲームといった基本的なタスクを処理したいのであれば、十分にこなしてくれるし、しかも美しい高解像度スクリーンも同じだ。
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