Appleは9月10日(日本時間)にサンフランシスコでApple Special Eventを開催し、新たなiPadシリーズとして「iPad Pro」と「iPad mini 4」を発表した。iPad mini 4はすでに販売が開始されている。なお、iPad Air 2の後継モデルは登場しなかった。
特筆すべきは、うわさどおり大型化して登場した12.9インチ(2732×2048ピクセル、264ppi)のRetinaディスプレイを搭載した「iPad Pro」だ。従来モデルのiPad Air/Air 2は9.7インチ(2048×1536ピクセル解像度、264ppi)。さらに新たな専用アクセサリとしてiPad Pro用のスタイラスペン「Apple Pencil」とキーボード付きカバー「Smart Keyboard」が発表された。
サイズは、高さ305.7mm×幅220.6mm×厚さ6.9mm。Wi-Fiモデルが713g、Wi-Fi + Cellularモデルは723gだ。発売は11月としており、容量は、Wi-Fiモデルが32Gバイトと128Gバイトのみ。Wi-Fi+Cellularモデルは128Gバイトのみだ。日本での価格は明らかにされていないが、米国では799ドルからと発表されている。
新たに64ビットアーキテクチャ搭載第3世代A9Xチップを搭載し、iPad Airに搭載されたA7チップと比べてCPUは2.5倍高速に、グラフィックスは5倍高速になっているという。FaceTimeカメラは従来と同様に、1.2メガピクセル、720p HDビデオ。iSightカメラは8メガピクセル、ビデオ撮影は、1080p HDでiPad Air 2と同じだ。
なお、カラーは「ゴールド」「スペースグレー」「シルバー」の3色。iPhone 6s/iPhone 6s Plusのようにローズゴールドは登場しなかった。
Apple Pencilは反応のよさが特長のペンで、描き始めてからそれが画面上に現れるまでのわずかな遅れであるレイテンシを、ほとんど感知できないレベルにまで小さくしたと説明する。圧力によってあらゆる太さの線が描けるほか、Apple Pencilの先端に内蔵されている2つの傾斜センサが、手の向きと角度を正確に計算。鉛筆で描く時と同じように、Apple Pencilを傾けるだけで、濃淡の効果を作り出せるとしている。
バッテリは充電式で、マグネット式キャップを外すと現れるLightningコネクタをiPad Proなどに差し込むと充電できる。急いでいるときは5秒間充電すると30分使えるようになるほか、フル充電すれば12時間持続するとしている。
このほか、iPad Pro用のアクセサリとして、カバーとキーボードの両方の機能を兼ね備えたSmart Keyboardが登場した。厚さは4mmと薄く、国内では「風呂蓋」とも称される「Smart Cover」と似たデザインで、表面を折りたたむと立てかけられる。
新たに「Smart Connector」を搭載し、Smart Keyboardの端の接続部分と、iPad Proの側面の両方についているSmart Connectorを通じて電力とデータを双方向に送りあえるようにしたとしている。
このキーボード付きカバーをつけた佇まいは、どことなくMicrosoftのSurfaceシリーズを思い浮かべるかもしれない。しかし、AppleのイベントにはMicrosoftのKirk Koenigsbauer氏が登壇し、iOS用のOffoce製品のデモを披露する一幕もあった。Word、Excel、Power Pointを連携できるほか、Power Pointでは、手書きで書いた円をきちんとした円に変換できる機能なども備える。
一方で、発表では詳細がまったく触れられないままひっそりと登場したのがiPad mini 3の後継モデル、iPad mini 4だ。
サイズは、高さ203.2mm×幅134.8mm×厚さ6.1mm。Wi-Fiモデルが298.8g、Wi-Fi + Cellularモデルは304gと、従来よりも薄く軽量になっている。容量は、Wi-Fiモデル/Wi-Fi+Cellularモデルともに16Gバイト、32Gバイト、128Gバイトモデルの3種類がラインアップする。カラーは「ゴールド」「スペースグレー」「シルバー」の3色。
Wi-Fiモデルの価格はいずれも税別で、16Gバイトが4万2800円、32Gバイトが5万3800円、128Gバイトが64800円だ。Wi-Fi+Cellularモデルは、16Gバイトが6万6800円、32Gバイトが6万7800円、128Gバイトが7万8800円。すでにオンラインのアップルストアで購入できるようになっており、出荷予定日は「4-6営業日」となっている。
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