ハイエンドなHMD型VRシステムだけではなく、ダンボールなどの紙製ビューワーとスマートフォンを活用した、誰でも手に取りやすく手軽に楽しめるVRシステムの取り組みも徐々に増え始めている。グーグルは、段ボール製VRヘッドセット「Cardboard」とYouTubeの3D動画を併用することでVR体験を提供。ほかにもハコスコがパノラマ動画共有サービス「ハコスコストア」を開設したほか、スパイスボックスが「milbox」の発売とともに、版権フリーのCGキャラクターをクリエイターに提供するなど、ローエンドのVRシーンでもさまざまな展開が行われており、認知が進んでいる状態だ。
ダンボール製VRゴーグル「milbox」が1000円で発売--スパイスボックス
凸版印刷とハコスコ、VR事業における業務提携に合意
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LG、「VR for G3」を無料で提供へ--「Google Cardboard」ベースのVRヘッドセット
また、独創的なVRシステムををリリースするところや、Kickstarterなどのクラウドファンディングを活用する形でプロジェクトを提案する事例も多数見受けられた。
見た方向を撮影する専用VRゴーグル付きドローン「FLYBi」
VR眼鏡を組み込んだiPhoneケース「Figment VR」--どこでもVRや3D映像を
スマホで立体視VR映像を手軽に撮影できる小型カメラ「Teleport」
VR世界への没入感を深める“起き上り小法師”椅子「VRGO」
匂いや風を感じるVRマスク「FEELREAL」、開発者向け事前予約を受付中
マテル、グーグルのVR技術を搭載した「View-Master」を発表
国内のVRシーンでもさまざまなコンテンツが制作されているのはもとより、さまざまなカンファレンスでの議論も活発に行われた。総じてVRは体験しないと魅力が伝わらないなかで、いかに一般層へ普及させていくかが課題のひとつとして挙げられていた。
VR、一般普及のための模索がビジネスチャンスを拓く--VRビジネス最前線
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クアルコムが見透す--ARとVRが作り出す次世代モバイルコンピュータのあり方
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VRで乗馬やフィリピン留学体験も--「Wearable Tech Expo in Tokyo 2015」
手元を見る機能は“お菓子を食べるため”--Gear VR向けniconicoアプリが開発
また、gumiがVR系のスタートアップを支援する「Tokyo VR Startups」を立ち上げたのをはじめ、コロプラは360度動画に特化した子会社「360Channel」の設立や、コロプラネクストと共同でVR特化の投資会社「Colopl VR Fund」を設立。グリーも専門スタジオを設けるなど、将来を見据えた動きも活発で、VRが普及する時代の到来を予感させるものとなっている。
VRゴーグルOculus VR、仮想現実映画の制作に進出--スタジオ設立を発表
Lytro、5000万ドルの資金を調達--動画やVRに注力へ
コロプラ、VR専門ファンド「Colopl VR Fund」を設立--最大5000万米ドルを出資
グリー、VRコンテンツ特化のスタジオを設立--スマホ向け第1弾タイトルを配信
「歴史に名を残すVRヘッドセット8選--写真で見る」のように、VRについては数十年前からさまざまな試みが行われ、珍しい展示品だった時代を経て、徐々に消費者の手に届きそうなものになっている。2016年には前述した有力なHMD型VRシステムの販売が予定されていることをはじめとして、2016年はVR元年という声があがるほど、急速なVR市場の拡大が見込まれている。少なくとも、2015年同様さまざまな話題が飛び交うことは間違いないだろう。
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