近年話題として大きく盛り上がっている仮想現実(VR)領域。目の周りを覆うヘッドマウントディスプレイ(HMD)型VRシステムを中心にして、2015年もさまざまなニュースが飛び交った。そのなかかからピックアップして振り返る。
Oculus VRが開発を進めているHMD型VRシステム「Oculus Rift」。2014年にFacebookが買収したことも記憶に新しいが、すでに開発者キットを広く販売していたこともあり、企業はもとより個人でもさまざまなコンテンツが開発。それは日本においても例外ではなく、開発者イベント「Ocufes」が盛況となっていたり、プロモーションとして活用されるケースも少なくなかった。立方体などのオブジェクトをつかむことができる「Oculus Touch」といったデバイスも登場した。
2015年ではサムスンと共同で開発したGalaxy向けの「Gear VR」を発売。スマートフォンを活用し、比較的安価でVRを体験できることが特徴で、こちらも注目を集めた。そして、2016年第1四半期にはOculus Riftの一般販売が計画されており、さらに普及が加速することが予想される。
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「Gear VR」を写真で見る--サムスンとOculusのVRヘッドセット
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ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が開発を進めているPS4用VRシステム「PlayStation VR」。ハードのスペックが統一されているため、ユーザーがPCなどの環境に左右されず画一的な体験を味わうことができる。長く「Project Morpheus」のコードネームで展開していたが、2015年に現在の商品名称に決定した。東京ゲームショウ2015をはじめ、展示の場では試遊希望にユーザーが殺到するなど注目度は高い。
コンテンツはバンダイナムコエンターテインメントが開発した、女性とのコミュニケーションを楽しむ「サマーレッスン」がよく知られているものの、先の東京ゲームショウ2015でみんなで楽しめる多人数型パーティゲーム「THE PLAYROOM VR」や人型のマシンを操縦して楽しむコアゲーマー向け「RIGS」をはじめ、バラエティに富んだコンテンツが出展されていた。現状では2016年上半期中の商品化を告知している。
VRシステム「Project Morpheus」に新型試作機--120fps対応、2016年上半期商品化へ
ソニー「Project Morpheus」を写真で見る--期待高まる仮想現実ヘッドセットの最新プロトタイプ
PS4用VRシステムの商品名称は「PlayStation VR」--ベイカバーなどPS4周辺機器の展開も
一歩先行くさまざまなコンテンツが登場--TGS2015でのVRシステム「PlayStation VR」
ハイエンドのHMD型VRシステムとして、「HTC Vive」も注目のひとつとして挙げられる。スマートフォンメーカーのHTCと、「Half-Life」といったゲームタイトルやオンラインストア「Steam」などで知られるValveが共同開発したシステム。スマートフォンではなくPCの周辺機器としてリリースされるもの。ルームスケールのトラッキングシステムが特徴となっている。海外では2015年にリリース予定となっていたが、2016年4月に延期となっている。
HTCのVRヘッドセット「Vive」のプロトタイプ--写真で見る
HTC、VRヘッドセット「Vive」を2015年中に台数限定で発売へ
HTC、仮想現実ゴーグル「HTC Vive」の発売延期を発表--2016年4月に
またオープンソースのヘッドセット関連コンソーシアム「OSVR」をベースに、PC用ゲーミングデバイスメーカーとして知られるRazerがVRヘッドセット開発キット「OSVR Hacker Dev Kit」で参入を表明している。
Razer、VRヘッドセットを提供へ--オープンソースのVR推進エコシステム「OSVR」も発表
Leap Motion、「OSVR Hacker Dev Kit」にフェースプレートをバンドルへ
目の周囲を覆いかぶせて没入感を高めるHMD型以外にも、周囲が見渡せるメガネ型スマートヘッドセットも開発が進められている。エプソンは法人向け業務用スマートヘッドセット「MOVERIO Pro BT-2000」を発売している。
エプソン、業務用ヘッドセットを9月発売--スマートグラス「MOVERIO」の発展型
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